“匹婦”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ひっぷ75.0%
ひつぷ25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
孔明こうめい兵を祁山きざんいだす事七度ななたびなり。匹婦ひっぷ七現七退しちげんしちたい何ぞ改めて怪しむに及ばんや。唯その身の事よりして人にるいおよぼしために後生ごしょうさわりとなる事なくんばよし。皆時の運なり。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
こういう大大名おおだいみょうのうしろだてを持っている彼らのかたき討よりも、無名の匹夫ひっぷ匹婦ひっぷのかたき討には幾層倍いくそうばい艱難辛苦かんなんしんくが伴っていることと察しられるが、舞台の小さいものは伝わらない。
かたき討雑感 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
おのれ、利を見て愛無かりし匹婦ひつぷ、憎しとも憎しと思はざるにあらぬ荒尾も、当面に彼の悔悟の切なるを見ては、さすがにじようは動くなりき。宮は際無はてしなく顔を得挙えあげずゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)