匹婦ひつぷ)” の例文
おのれ、利を見て愛無かりし匹婦ひつぷ、憎しとも憎しと思はざるにあらぬ荒尾も、当面に彼の悔悟の切なるを見ては、さすがにじようは動くなりき。宮は際無はてしなく顔を得挙えあげずゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)