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疋
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びき
ふりがな文庫
“
疋
(
びき
)” の例文
「へん。
貴様
(
きさま
)
ら三
疋
(
びき
)
ばかり食い
殺
(
ころ
)
してやってもいいが、
俺
(
おれ
)
もけがでもするとつまらないや。おれはもっといい食べものがあるんだ」
貝の火
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
その代りにその土の下から小さな蝉が何
疋
(
びき
)
も何疋も這い出して来て、その樫の木に掴まって、夜が明けてから日の暮れるまで
ツクツク法師
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
香倶土三鳥
(著)
土手の方から
颯
(
さっ
)
と来たが、都合三輛か、それ
或
(
あるい
)
は三
羽
(
びき
)
か、三
疋
(
びき
)
か、
燕
(
つばめ
)
か、兎か、見分けもつかず、波の揺れるようにたちまち見えなくなった。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
揃えなけりゃ。是非お買いなさいよ、一
疋
(
びき
)
買うといいんだから、今年の秋迄には是非お買いなさいよ。男は大島に限るわ。
大島が出来る話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
三
疋
(
びき
)
の馬が勢よく飛び上つて居る図がらの
好
(
い
)
いのを、また街を通る人々が賞めて行きました。私は少し自分のがけなされたやうな悲みを感じました。
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
▼ もっと見る
猫は横っちょに
臥
(
ね
)
そべって、首をもたげ眼を半開きにして喉を鳴らしながら、生れたばかりの三
疋
(
びき
)
の仔猫に、薔薇色の乳房をしゃぶらせていたのであった。
老嬢と猫
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
波に打上げられた
海月魚
(
くらげ
)
が、硝子が熔けたように砂のうえに死んでいた。その下等動物を、私は初めて見た。その中には二三
疋
(
びき
)
の小魚を食っているのもあった。
蒼白い月
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
大きな火事で、家が百も焼けて、犬が千
疋
(
びき
)
も死んだ、とまじめな顔で云った。本当だ、と念を押して云うので、乳母に聞いてみたらまったく根もないことだという。
樅ノ木は残った:04 第四部
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
剥製の箱は素敵に大きなもので、シャモアの立派なのが三
疋
(
びき
)
、シュネーフーンに狐やフュレーなどは、冬毛と夏毛をわけて、山草をあしらった大きな台にのせてある。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
「きょうも又妙にむしむしするじゃないか。僕の所には蚊が二三
疋
(
びき
)
いてうるさくてしようがない」
雁
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
では近道を教えてあげよう、……ここから真っ直ぐに北へ行くと、千
疋
(
びき
)
という谷川さ。それをさかのぼると盆の沢、そこを突っ切ると一本松、太い松の木が生えてるのさ。
任侠二刀流
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
「いや、あやまるには及ばんさ。だが、わしはおまえ方の、兄弟
贔屓
(
びいき
)
で言いおるんじゃ。どうして、これほど立派な
漢
(
おとこ
)
三
疋
(
びき
)
が、食うや食わずでいなければならぬかと……」
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
今朝行って見ると、枝の
尖端
(
せんたん
)
に
蟻
(
あり
)
が二、三
疋
(
びき
)
ずつついていて、何かしら仕事をしている。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
チャラピタはさう大きくはないけれど運よくもう三
疋
(
びき
)
もとつてゐるので、やきもきして何んとか、かんとか、うまいことを言つて、チャラピタといつしよに
往
(
い
)
かうとしましたが
熊捕り競争
(新字旧仮名)
/
宮原晃一郎
(著)
しかし老人、この日は好運に恵まれて、見る/\大きな磯魚を三
疋
(
びき
)
まで釣り上げた。
脱線息子
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
第一海水がなぜ薬になるかと云えばちょっと海岸へ行けばすぐ分る事じゃないか。あんな広い所に魚が何
疋
(
びき
)
おるか分らないが、あの魚が一疋も病気をして医者にかかった
試
(
ため
)
しがない。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それからお前が国へ帰るのに
私
(
わたし
)
も何ぞ骨折の礼をしなくっちゃアならないが多分の事も出来ないが、百両やる積りだ、それから忰が十両、お
内儀
(
かみ
)
さんが十両、番頭が千
疋
(
びき
)
、店の者中で千疋
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
宝
(
たから
)
はなんでも千という
数
(
かず
)
をそろえて
持
(
も
)
つものだそうた。
奥州
(
おうしゅう
)
の
秀衡
(
ひでひら
)
はいい
馬
(
うま
)
を千
疋
(
びき
)
と、
鎧
(
よろい
)
を千りょうそろえて
持
(
も
)
っている。
九州
(
きゅうしゅう
)
の
松浦
(
まつうら
)
の
太夫
(
たゆう
)
は
弓
(
ゆみ
)
を千ちょうとうつぼを千
本
(
ぼん
)
そろえてもっている。
牛若と弁慶
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
江戸の方からそこへかつがれて来たのは、三
疋
(
びき
)
の綿羊だ。こんな木曾山の中へは初めて来たものだ。
早速
(
さっそく
)
半蔵はお民を呼んで、表玄関の広い板の間に
座蒲団
(
ざぶとん
)
を敷かせ、そこに父の席をつくった。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
さてその頃には、三
疋
(
びき
)
のゴーゴンが棲んでいました。
ワンダ・ブック――少年・少女のために――
(新字新仮名)
/
ナサニエル・ホーソーン
(著)
僧都
真鯛
(
まだい
)
大小八千枚。
鰤
(
ぶり
)
、
鮪
(
まぐろ
)
、ともに二万
疋
(
びき
)
。
鰹
(
かつお
)
、
真那鰹
(
まながつお
)
、
各
(
おのおの
)
一万本。
大比目魚
(
おおひらめ
)
五千枚。
鱚
(
きす
)
、
魴鮄
(
ほうぼう
)
、
鯒
(
こち
)
、
鰷身魚
(
あいなめ
)
、
目張魚
(
めばる
)
、
藻魚
(
もうお
)
、合せて七百
籠
(
かご
)
。
海神別荘
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三
疋
(
びき
)
は年も同じなら大きさも大てい同じ、どれも負けず劣らず生意気で、いたづらものでした。
蛙のゴム靴
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
と、斜めならず、その労をねぎらい、なお庫内の黄金五十
斤
(
きん
)
と絹一万
疋
(
びき
)
を賞として贈った。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そして胸毛を
撫
(
な
)
でた。胸毛は熊のように濃かった。また
脛
(
すね
)
の毛とくると信じられないほどであった。夏になると、そのみっしり生えた脛毛の中でいつも二三
疋
(
びき
)
の蚊が悲鳴をあげていた。
秋の駕籠
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
高がのみの千
疋
(
びき
)
や二千疋でよくまあこんなに現金な真似が出来たものだ。人間世界を通じて行われる愛の法則の第一条にはこうあるそうだ。——自己の利益になる間は、すべからく人を愛すべし。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と云われて源次郎は取上げて見れば金千
疋
(
びき
)
。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
向
(
むこう
)
の山に、猿が三
疋
(
びき
)
住みやる。中の小猿が、
能
(
よ
)
う
物
(
もの
)
饒舌
(
しゃべ
)
る。何と
小児
(
こども
)
ども
花折
(
はなお
)
りに
行
(
ゆ
)
くまいか。今日の寒いに何の花折りに。
牡丹
(
ぼたん
)
、
芍薬
(
しゃくやく
)
、菊の花折りに。
薬草取
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
三
疋
(
びき
)
は年も同じなら大きさも大てい同じ、どれも負けず
劣
(
おと
)
らず生意気で、いたずらものでした。
蛙のゴム靴
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
自分はその
夜
(
よ
)
蚊帳
(
かや
)
を釣って貰って早く
床
(
とこ
)
に
這入
(
はい
)
った。するとその蚊帳に穴があって、
蚊
(
か
)
が二三
疋
(
びき
)
這入って来た。
団扇
(
うちわ
)
を動かして、それを
払
(
はら
)
い
退
(
の
)
けながら寝ようとすると、隣の
室
(
へや
)
の話し声が耳についた。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この三
疋
(
びき
)
の狼をどうしましょう?
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
屹
(
きっ
)
となって、(教えません、そんな事では——
不可
(
いけ
)
ません、)と言われたが。蛇です、蛇です、蛇です、三
疋
(
びき
)
。
ピストルの使い方:――(前題――楊弓)
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
尤もそのときは残ったものもわづかでした。
烏
(
からす
)
と
鷺
(
さぎ
)
とはくてうとこの三
疋
(
びき
)
だけだったのです。
林の底
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
畳
(
たたみ
)
の左右に、はら/\と音するは、我を襲ふ三
疋
(
びき
)
の
外
(
ほか
)
なるが、なほ、
十
(
とお
)
ばかり。
蠅を憎む記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
「うん。さっぱりして気持ちがいいね。」三
疋
(
びき
)
は萱の刈跡にやって参りました。
蛙のゴム靴
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
そしたら、きのこの上に、ひょっこり三
疋
(
びき
)
の小猿があらわれて
腰掛
(
こしか
)
けました。
さるのこしかけ
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
山兎
(
やまうさぎ
)
が二三
疋
(
びき
)
、あとを追ふやうに、
躍
(
おど
)
つて
駈
(
か
)
けた。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
おまけに
水平線
(
すいへいせん
)
の上のむくむくした雲の
向
(
むこ
)
うから鉛いろの空のこっちから口のむくれた三
疋
(
びき
)
の大きな白犬に
横
(
よこ
)
っちょにまたがって黄いろの
髪
(
かみ
)
をばさばささせ大きな口をあけたり立てたりし
歯
(
は
)
を
サガレンと八月
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
三
疋
(
びき
)
はぽかぽか流れて行くやまなしのあとを追ひました。
やまなし
(新字旧仮名)
/
宮沢賢治
(著)
疋
漢検準1級
部首:⽦
5画
“疋”を含む語句
疋田
一疋
数疋
千疋屋
幾疋
九疋
二疋
五疋
何疋
疋田小伯
日疋
疋共
疋夫
疋田図書
反物代千疋
疋田文五郎
疋田流
疋田浮月斎
疋田鹿
疋目
...