トップ
>
引
>
ひき
ふりがな文庫
“
引
(
ひき
)” の例文
ここで按摩が殺す気だろう。構うもんか、勝手にしろ、似たものを
引
(
ひき
)
つけて、とそう覚悟して按摩さん、背中へ
掴
(
つかま
)
ってもらったんだ。
歌行灯
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
さかなの食べたがる物ですよ、それを針の先へつけて、水の中へ入れて置くと、さかなが来て食ひつく、食ひつく
処
(
ところ
)
を
引
(
ひき
)
あげるの。
鼻で鱒を釣つた話(実事)
(新字旧仮名)
/
若松賤子
(著)
それに
引
(
ひき
)
かえてこういう貧しい裏町に昔ながらの貧しい
渡世
(
とせい
)
をしている年寄を見ると同情と悲哀とに加えてまた尊敬の念を禁じ得ない。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
さも満足そうな顔をしていたに
引
(
ひき
)
かえ、不思議なことに、謎を解いた明智の方が、何ともいえぬ、困惑の色を浮かべているのだ。
吸血鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
おこよ源三郎を
引
(
ひき
)
さらって遠く逃げられました故、深見新左衞門は
情
(
なさけ
)
なくも売卜者の為に殺されてお屋敷は
改易
(
かいえき
)
でございます。
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
見物かたがた飲食に出掛ける人
引
(
ひき
)
も切らずと来た。ところが、ダヴッドの妻、怪しかる飲んだくれでしばしばなぐっても
悛
(
あらた
)
まる気遣いなし。
十二支考:10 猪に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
浅黄絖
(
あさぎぬめ
)
の
引
(
ひき
)
かえしに折びろうどの帯をしめ、薄色の
絹足袋
(
きぬたび
)
をはいた
年増
(
としま
)
姿は、又なく
艶
(
えん
)
に美しかった。藤十郎は、昔から、お梶を知っている。
藤十郎の恋
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
白髪
(
しろが
)
頭に
縁
(
ふち
)
の垂れた黒い帽を
被
(
き
)
て紅い毛糸のぶくぶくした
襯衣
(
しやつ
)
に汚れた青黒い
天鵞絨
(
ビロウド
)
の
洋袴
(
パンタロン
)
を
穿
(
は
)
き、大きな木靴を
引
(
ひき
)
ずつて
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
友
達
(
たち
)
なんかと
話
(
はな
)
してゐると三人の
位置
(
いち
)
が
引
(
ひき
)
玉に
考
(
かんが
)
へられたり、三つ
並
(
なら
)
んだ
茶
(
ちや
)
碗の
姿
(
すがた
)
が
面
(
おも
)
白い
押
(
おし
)
玉の
恰好
(
かつこう
)
に見※たりする。
文壇球突物語
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
何分
(
なにぶん
)
此頃
(
このごろ
)
飛出
(
とびだ
)
しが
始
(
はじ
)
まつて
私
(
わし
)
などは
勿論
(
もちろん
)
太吉
(
たきち
)
と
倉
(
くら
)
と
二人
(
ふたり
)
ぐらゐの
力
(
ちから
)
では
到底
(
たうてい
)
引
(
ひき
)
とめられぬ
働
(
はたら
)
きをやるからの、
萬一
(
まんいち
)
井戸
(
ゐど
)
へでも
懸
(
かゝ
)
られてはと
思
(
おも
)
つて
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
衆徒は驚いて、こは何事と増賀を
引
(
ひき
)
退
(
さが
)
らせようとしたが、増賀は声を
厲
(
はげ
)
しくして、僧正の御車の
前駈
(
さきがけ
)
、我をさしおいて誰が勤むべき、と怒鳴った。
連環記
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
師弟の
情誼
(
じょうぎ
)
のうるわしさは、あるおり、夏子に恥をかかせまいとして、歌子は小紋ちりめんの三枚重ねの
引
(
ひき
)
ときを、表だけではあったが与えもした。
樋口一葉
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「そりやさうと、
酒
(
さけ
)
どうしたえ」
小柄
(
こがら
)
な
爺
(
ぢい
)
さんはひよつと
自在鍵
(
じざいかぎ
)
の
儘
(
まゝ
)
土瓶
(
どびん
)
を
手
(
て
)
もとへ
引
(
ひき
)
つけて、
底
(
そこ
)
へ
手
(
て
)
を
當
(
あ
)
てゝ
見
(
み
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
たとえ
何
(
な
)
んであろうと、
引
(
ひき
)
ずっても
連
(
つ
)
れて
行
(
い
)
かねばならぬという、
強
(
つよ
)
い
意地
(
いじ
)
が
手伝
(
てつだ
)
って、
荒々
(
あらあら
)
しく
肩
(
かた
)
に
手
(
て
)
をかけた。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
今はこれまでと覚悟した天魔太郎、野州の熊五郎のはいっている独房のカギをあけて、嵐の中へ
引
(
ひき
)
だすと、早くもとびつく二人三人の組子を投げとばし
幻術天魔太郎
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
温泉は雲仙の白濁色に
引
(
ひき
)
かえて、無色透明、浴場も清潔なので
入
(
い
)
り心地がよい。ここには四十余の旅館があり別府浜脇のごとく木賃制度が行われておる。
雲仙岳
(新字新仮名)
/
菊池幽芳
(著)
扨
(
さて
)
は
昨日
(
きのふ
)
の
雪吹倒
(
ふゞきたふ
)
れならん(里言にいふ所)とて皆あつまりて雪を
掘
(
ほり
)
、
死骸
(
しがい
)
を見るに
夫婦
(
ふうふ
)
手
(
て
)
を
引
(
ひき
)
あひて
死居
(
しゝゐ
)
たり。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
左りに云
拔
(
ぬけ
)
んと爲る共二十日の
朝
(
あさ
)
其方が衣類の
裾
(
すそ
)
へ
血汐
(
ちしほ
)
を
引
(
ひき
)
其上
汝
(
おの
)
れが紙入藤八よりの手紙が入てありしを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
早くも馳けつけた青年団の連中が、その車の下から、一人の男を
引
(
ひき
)
ずり出しているところであった。
腐った蜉蝣
(新字新仮名)
/
蘭郁二郎
(著)
ところがブッ
倒
(
た
)
おれたと見ると直ぐに、兄イ
連
(
れん
)
が
舷側
(
ふなばた
)
に
引
(
ひき
)
ずり出して頭から
潮水
(
しおみず
)
のホースを引っかけて、尻ペタを大きなスコップでバチンバチンとブン殴るんだから
難船小僧
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
旅廻りは言ふまでもない事、
地
(
ぢ
)
の市村座興行も余り気乗がしない、
座方
(
ざかた
)
の都合で
達
(
たつ
)
て顔を出さなければならない場合でも、
端役
(
はやく
)
の外は決して
引
(
ひき
)
うけようとは言はない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
額に水平にピストルの筒を当てて
引
(
ひき
)
がねを引けばよかったものを、奇を好んで、てっぺんから垂直に打ちこんだため、
弾丸
(
たま
)
は脳の中へはいって、笑いの中枢を
冒
(
おか
)
しただけで
二重人格者
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
同役の一人はその人俵をずるずると
引摺
(
ひきず
)
って
水際
(
みずぎわ
)
の方へ往った。そこにはたくさんの
薪
(
たきぎ
)
を下敷にした上に二三十の人俵が積んであった。老人の人俵もその上に
引
(
ひき
)
あげられた。
切支丹転び
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
下界の人は山頂も均しく
長閑
(
のどか
)
ならんと思うなるべし、
彼
(
か
)
の三保の松原に
羽衣
(
はごろも
)
を落して
飛行
(
ひぎょう
)
の術を失いし
天人
(
てんにん
)
は、空行く
雁
(
かり
)
を見て天上を
羨
(
うらや
)
みしに
引
(
ひき
)
かえ、我に飛行の術あらば
寒中滞岳記:(十月一日より十二月廿一日に至る八十二日間)
(新字新仮名)
/
野中至
(著)
生命
(
いのち
)
一つを繋ぎ兼ねるものがごろごろ
幾何
(
いくら
)
あるか知れない、悪いことをした罰では決してない、天災というものは、例えば貴下のような正直
漢
(
もの
)
でも用捨なく
引
(
ひき
)
さらうのだから
厄払い
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それに
引
(
ひき
)
かえ父というのは、何か思い入ると大きい黒い瞳がじっと凝って来て、間違ったことは許さぬという代りに相手を
庇
(
かば
)
えばどこまでも庇い切る一徹さを備えた人でした。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
己が娘に己が貰った婿ながら、気が合わぬとなれば仇敵より憎く、
老夫婦
(
としよりふうふ
)
は家財道具万端好いものは
皆
(
みな
)
引
(
ひき
)
たくる様にして持って出た。よく実る柿の木まで掘って持って往った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
たとひ
或
(
ある
)
一二の
家
(
いへ
)
が
潰倒
(
くわいたう
)
しても、
引
(
ひき
)
つゞいて
火災
(
くわさい
)
を
起
(
お
)
こしても、それは
殆
(
ほとん
)
ど
問題
(
もんだい
)
でない。
日本建築の発達と地震
(旧字旧仮名)
/
伊東忠太
(著)
先生のみか
世人
(
よのひと
)
を
驚
(
おどろ
)
かすも
安
(
やす
)
かるべしと、
門外
(
もんぐわい
)
に
躊躇
(
ちうちよ
)
してつひに
入
(
い
)
らず、
道
(
みち
)
引
(
ひき
)
かへて百
花園
(
くわゑん
)
へと
赴
(
おもむ
)
きぬ、
新
(
しん
)
梅屋敷
(
うめやしき
)
百
花園
(
くわゑん
)
は梅の
盛
(
さか
)
りなり、
御大祭日
(
ごたいさいび
)
なれば
群集
(
ぐんしふ
)
も
其筈
(
そのはず
)
の
事
(
こと
)
ながら
隅田の春
(新字旧仮名)
/
饗庭篁村
(著)
おまけにリノへ着いたら、明日は午前中と午後と二回、工学部の河川や積雪水量関係の人たちにクラス講義をして、
引
(
ひき
)
つづいて夜は公開講演という手順になっていると申し渡された。
ネバダ通信
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
文吾は良子の肩をやさしく
引
(
ひき
)
よせながら、鹿島社長の方へ振りかえって云った。
水中の怪人
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
彼はとっさに
身替
(
みがわり
)
になるような心持で
引
(
ひき
)
とって答えて、つかつか往来に出た。
遺産
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
ヅーフ部屋と云う字引のある部屋に、五人も十人も
群
(
ぐん
)
をなして無言で字引を
引
(
ひき
)
つゝ勉強して居る。夫れから
翌朝
(
よくあさ
)
の会読になる。会読をするにも
籤
(
くじ
)
で
以
(
もっ
)
て
此処
(
ここ
)
から此処までは誰と
極
(
き
)
めてする。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「船が、おそろしい潮流に乗ったのです。魔海の底に
引
(
ひき
)
ずられて往きます」
怪奇人造島
(新字新仮名)
/
寺島柾史
(著)
教の人における、一日も
無
(
なか
)
るべからず。飽食・暖衣・
逸居
(
いっきょ
)
して教なきは、禽獣に近し。教の政における、その
帰
(
き
)
、
一
(
いつ
)
なり。われ
聞
(
きく
)
、文明の国たる、王家大礼あれば必ず教師を
引
(
ひき
)
てこれを
司
(
つかさど
)
らしむ。
教門論疑問
(新字新仮名)
/
柏原孝章
(著)
彼等は、大いそぎで、この火事を森の中の動物に知らせに行くには誰が一番いいだろうかと、相談しました。その結果、ついにこの間の競走で勝った亀が、その役目を
引
(
ひき
)
うけることになったのです。
兎と亀
(新字新仮名)
/
ロード・ダンセイニ
(著)
百果報
(
もゝがほう
)
のあんで、みすゞりのあもの、心ある者や、
御主
(
おしゆ
)
加那志
(
がなし
)
御為
(
おだめ
)
、
御万人
(
おまんちよ
)
の
為
(
ため
)
に、
命
(
いのち
)
うしやげらば、
産
(
な
)
し
親
(
おや
)
やだによ、
引
(
ひき
)
はらうぢ
迄
(
まで
)
もおのそだて
召
(
めしや
)
いる、
仰
(
おほ
)
せ
事拝
(
ごとをが
)
で、
高札
(
たかふだ
)
に
記
(
しる
)
ち、
道側
(
みちばた
)
に立てゝ
ユタの歴史的研究
(新字新仮名)
/
伊波普猷
(著)
そこからどんな論理や哲学を
引
(
ひき
)
ずり出そうというのだ
墓場が用意された!:――×××組合のダラ幹を葬れ――
(新字新仮名)
/
今野大力
(著)
こうして主人が帰ったからは、お前は手をお
引
(
ひき
)
。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
さる
引
(
ひき
)
の猿と世を
経
(
ふ
)
る秋の月 蕉
俳句への道
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
そういって
引
(
ひき
)
とらした。
雪
(新字新仮名)
/
楠田匡介
(著)
朱鷺色
(
ときいろ
)
の
扱帶
(
しごき
)
と
云
(
い
)
ふので、
件
(
くだん
)
の
黒髯
(
くろひげ
)
の
大
(
おほ
)
きな
膝
(
ひざ
)
に、かよわく、なよ/\と
引
(
ひき
)
つけられて、
白
(
しろ
)
い
花
(
はな
)
咲
(
さ
)
く
蔓草
(
つるくさ
)
のやうに
居
(
ゐ
)
るのを
見
(
み
)
た。
麦搗
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
深山木幸吉のいやな
癖
(
くせ
)
の思わせぶりに、いい気になって
引
(
ひき
)
ずられている様子を見て、きっとじれったく思っていらっしゃることでしょう。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
引
(
ひき
)
越して五六日間は板を買つて来て棚を
彼処此処
(
あちらこちら
)
に附けるのも面白いし、妻が
瓦斯
(
ぐわす
)
で
煮沸
(
にたき
)
をするのを子供等と一緒に成つて珍らし
相
(
さう
)
に眺めたり
執達吏
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
(著)
黒
(
くろ
)
く
多
(
おほ
)
き
髮
(
かみ
)
の
毛
(
け
)
を
最惜
(
いとを
)
しげもなく
引
(
ひき
)
つめて、
銀杏返
(
いてうがへ
)
しのこはれたるやうに
折返
(
をりかへ
)
し
折返
(
をりかへ
)
し
髷形
(
まげなり
)
に
疊
(
たゝ
)
みこみたるが、
大方
(
おほかた
)
横
(
よこ
)
に
成
(
な
)
りて
狼藉
(
らうぜき
)
の
姿
(
すがた
)
なれども
うつせみ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
老夫
(
らうふ
)
筵
(
むしろ
)
の
端
(
はし
)
に坐し酒を
視
(
み
)
て
笑
(
ゑみ
)
をふくみ
続
(
つゞけ
)
て三
盌
(
ばい
)
を
喫
(
きつ
)
し
舌鼓
(
したうち
)
して大に
喜
(
よろこ
)
び、さらば
話説
(
はなし
)
申さん、我
廿歳
(
はたちのとし
)
二月のはじめ
薪
(
たきゞ
)
をとらんとて
雪車
(
そり
)
を
引
(
ひき
)
て山に入りしに
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
彼等
(
かれら
)
は
途次
(
みちみち
)
も
騷
(
さわ
)
ぐことを
止
(
や
)
めないで
到頭
(
たうとう
)
村落
(
むら
)
の
念佛寮
(
ねんぶつれう
)
へ
引
(
ひき
)
とつた。
其處
(
そこ
)
には
此
(
これ
)
も
褞袍
(
どてら
)
を
被
(
はお
)
つた
彼等
(
かれら
)
の
伴侶
(
なかま
)
が
圍爐裏
(
ゐろり
)
へ
麁朶
(
そだ
)
を
燻
(
く
)
べて
暖
(
あたゝ
)
まりながら
待
(
ま
)
つて
居
(
ゐ
)
た。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
せぬ故に果して
化
(
ばけ
)
の
皮
(
かは
)
を
顯
(
あら
)
はし
今
(
いま
)
捕押
(
とりおさ
)
へたるは
能
(
よき
)
氣味なりと咄すを聞て家内の者共
然樣
(
さやう
)
の御連にてありしか何にしても不屆な
奴
(
やつ
)
引
(
ひき
)
ずり出して
叩
(
たゝ
)
きのめせと
立騷
(
たちさわ
)
ぐを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
「
憚
(
はばか
)
りながら、いったんお
引
(
ひき
)
受
(
う
)
け
申
(
もう
)
しやした
正直
(
しょうじき
)
千
吉
(
きち
)
、お
約束
(
やくそく
)
を
違
(
たが
)
えるようなこたァいたしやせん」
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
ここにいう青年
南郷綾麿
(
なんごうあやまろ
)
は、百観音の中のたった一体、幕末の頃江戸伝馬町四丁目に住んでいたという、名仏師
天狗長兵衛
(
てんぐちょうべえ
)
の彫った観音様に
引
(
ひき
)
ずられて、雨の日も風の日も
奇談クラブ〔戦後版〕:07 観音様の頬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
“引”の解説
引(いん、yǐn)は中国の伝統的な長さの単位である。1丈の10倍にあたる。実際の長さは時代によって異なる。
『漢書』律暦志に「度者、分・寸・尺・丈・引也。……十分為寸、十寸為尺、十尺為丈、十丈為引。」と見える。
1929年に市制が定められたときには「引」も定義されており、100尺 = 100/3メートル(約33.3m)であった。しかしあまり使われることはなく、中華人民共和国の市制では定義されていない。
(出典:Wikipedia)
引
常用漢字
小2
部首:⼸
4画
“引”を含む語句
引掛
引剥
誘引
引返
引退
引被
引込
引張
引立
引裂
股引
引懸
引廻
引籠
引越
引取
引傾
承引
引摺
引掴
...