ひき)” の例文
帝は巍国公ぎこくこう徐輝祖じょきそをして、京軍けいぐん三万をひきいて疾馳しっしして軍に会せしむ。景隆、郭英、呉傑、軍六十万をがっし、百万と号して白溝河はくこうがす。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
舜すでに天子とり、また天下の諸侯をひきいて以て堯の三年の喪を為さば、これ二の天子あるなり。(『孟子』、万章上)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
しこうして七月に至りては、露国の使節、軍艦四隻をひきいて長崎に来りて互市ごしを乞う。米艦僅かに去れば露艦来り、天下の人心、漸く乱を思わんとす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
象月に謝罪せんとて鼻を水に入るるに水掻き月影倍多ふえたり、兎象に向い汝湖水をみだせし故月いよいよいかると言い象ますますおそゆるしを乞い群象をひきいてその地を去る
あたかもこれ米国水師提督ペルリ、軍艦四隻をひきい、浦賀湾に突至とっしし、国書をささげ、交親通商の期を迫るに際す。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
何福かふくすなわち営を霊壁れいへきに移す。南軍の糧五方、平安へいあん馬歩ばほ六万をひきいて之をまもり、糧を負うものをしてうちらしむ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
孔子こたえて曰く、政とは正なり、子ひきいて正しければたれえて正しからざらん。(顔淵、一七)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
燕王ついまた師をひきいてづ。諸将士をさとして曰く、たたかいの道、死をおそるゝ者は必ず死し、せいつる者は必ず生く、なんじ努力せよと。三月、盛庸せいよう來河きょうがう。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
咸丘蒙かんきゅうもう問いて曰く、語に言う、盛徳せいとくひとは君得て臣とせず、父得て子とせず、舜は南面して立ち、堯は諸侯をひきいて北面してこれに朝せり、瞽瞍こそうまた北面してこれに朝す
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
然れどもその志は、死灰しかいに帰するあたわず。あたかも好し、安政元年正月十八日、前言の期をたがえず、ペルリは軍艦四隻、汽船三隻をひきいて、江戸羽根田に闖入ちんにゅうし、また退しりぞいて神奈川に投錨とうびょうす。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
是の如く下を愛する將に對しては、下も亦身を獻じて其用を爲さんとするのである。凡そ人の上となりて衆をひきゐるものは、必らず分福の工夫に於て徹底するところ有るもので無ければならぬ。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)