“徐（そつ）” の例文
その飽くまでくつきりと白い皮膚の色と、淋しい自身をさびしいとも知らないで生ひ立つて來たやうな、その黒い目の色とを盜み見ながら徐（そつ）としてゐた。
女の子 (旧字旧仮名) ／ 鈴木三重吉(著)
貢さんは、阿母さんの機嫌を損じたなと思つたので、徐（そつ）と背（せな）を向けて四五歩（あし）引返した。
蓬生 (新字旧仮名) ／ 与謝野寛(著)
そこへ徐（そつ）と戸を開けて、主婦さんがどこからか歸つて來た。
赤い鳥 (旧字旧仮名) ／ 鈴木三重吉(著)