そつ)” の例文
彼女の手にかかると、毎日のけものの色にも水々した生彩があり、さかなや野菜ものの目利きにもそつがなかった。
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
そつの張飛という者が、一命を助けてくれたので、うれしさの余り、何か礼を与えようと思ったが、身に持っている物は、剣と茶壺しかなかったので、やむなく
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
夜番のそつが夜なかに城中を見まわると、城中の一つのていに火のひかりの洩れているのを発見したので、怪しんでその火をたずねてゆくと、そこには十余人の男と五
めに(七二)これふ。そつははこれいてこくす。ひといはく、『そつにして將軍しやうぐんみづか其疽そのしよふ。なんこくするをす』と。ははいはく、『しかるにあらず。往年わうねん呉公ごこう其父そのちちふ。 ...
昔、朝鮮のらつぱそつがね、すつかりお酒に酔つ払らつて、山路やまみちにぐうぐう寝てゐたとさ。
虎の話 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そなたこひ盟約ちかひ内容なかみ空誓文からぜいもん、なりゃこそ養育はごくまうとちかうたこひをもころしてのけうとやるのぢゃ、そなた分別ふんべつ姿すがたこひかざりぢゃが、本體ほんたいうないので不具かたはとなり、おろかそつ藥筐くすりいれ火藥くわやくのやうに
「そうじゃそうじゃ、今度の幕に、そつのう見て置いたがよいぞ」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
おれもおぬしも、ともに開封かいほう東京とうけいにいた者同士よ。まずこのつら金印きんいん(額の刺青)を見てくれ。高俅こうきゅう一味の悪官僚のため、むじつの罪におとされて、北京ほっけいそつに追いやられた楊志という者
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そうして、廟に近い渓川たにがわのほとりまで登って来ますと、一人のそつが出て参りました。卒は青い着物をきて、白い皮で膝を蔽っていましたが、つかつかと寄って来て、かの役人を捕えるのです。
しんち五じやうけり、の・しやうたる、士卒しそつ最下さいかなるもの衣食いしよくおなじうし、ぐわするにせきまうけず、くに(七〇)騎乘きじようせず、みづかかてつつになひ、士卒しそつ勞苦らうくわかつ。そつ(七一)しよものり。
一つ 尊氏の六波羅にあるや、みだりにみずから奉行をとなえ、上のみゆるしもなき御教書みぎょうしょを発し、親王のそつをとらえて、これを斬刑ざんけいするなど、身、司直にもあらざるに法をり行う。これ罪の三。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
一 そつたる者は、将たる者に、絶大の服従と礼節を守る。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
人あり、そつの母をなだめて
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)