“怱卒”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
そうそつ66.7%
そそか33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一朝一夕に思いついたところは微塵みじんといえどもないのである。彼の文学は怱卒そうそつな現代に於て味読に価する最も意味の深遠な作品と言えよう。
「鷹」 (新字新仮名) / 坂口安吾(著)
丁度烏賊いかが、敵をおそれて、逃げるときに厭な墨汁を吐き出すように、この男も出鱈目でたらめな、その場限りの、遁辞とんじを並べながら、怱卒そうそつとして帰って行った。
真珠夫人 (新字新仮名) / 菊池寛(著)
平生の用心を彼から奪ったこの場合は、彼を怱卒そそかしくしたのみならず彼の心を一直線にしなければやまなかった。彼は手紙を持ったまま、すぐ二階を下りて看護婦を呼んだ。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)