ざら)” の例文
博士はぼやきながら眉をしかめたが、そんな取沙汰を思ふと、まんざら悪い気持もしないらしかつた。
が、そなたの気持が、まんざら、わからぬ拙者でもござりませぬぞ、それにしても、なぜ、子供のときから、いわば伯父おじめいのようにも親しんで来た、拙者どもに、心の中を
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
そんな贅沢な人間を生んだこの上州の田舎もママざら、野暮じゃないところかも知れない。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
ですから、まんざら値打のないものでもありませんわねえ
孤島の鬼 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
「うむ、まんざら心当りがねえでもねえのよ。まあ、逢って見ねえことにゃあ——」
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)