“ざら”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ザラ
語句割合
30.2%
27.0%
14.3%
7.9%
6.3%
3.2%
3.2%
3.2%
佐良1.6%
普通1.6%
1.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渠は再び草の上に一物あるものを見出だせり。近づきてとくと視れば、浅葱地あさぎじに白く七宝つなぎの洗いざらしたる浴衣ゆかた片袖かたそでにぞありける。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
実際ね、先生にとっ捕まっちゃ百年目。この世に有りとあらゆる悪事の総ざらいをされるんだから、たいがいゆだってしまうのです。
犂氏の友情 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
青い干葡萄ほしぶどうのはいったガラスざら、それから菓子を盛ったもう一つの皿が、そのままになっている、どうも誰かを供応していたらしい。
洗いざらい貴方の筆にかけて頂いて、妾の罪深い生涯をとむらって頂こうと思って、そればっかりを楽しみにしていたのよ
けむりを吐かぬ煙突 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
が、そなたの気持が、まんざら、わからぬ拙者でもござりませぬぞ、それにしても、なぜ、子供のときから、いわば伯父おじめいのようにも親しんで来た、拙者どもに、心の中を
雪之丞変化 (新字新仮名) / 三上於菟吉(著)
婦女おんなの身としては他人よその見る眼も羞ずかしけれど、何にもかも貧がさする不如意に是非のなく、いま縫う猪之いのが綿入れも洗いざらした松坂縞まつざかじま
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
自分はただ洗いざらい自分の思わくを話してしまわないだけで、話しただけは真面目に話したんである。すこしも裏表はない。腹から叮嚀ていねいに答えた。坑夫はしばらくの間黙って雁首をながめていた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
一巻のブックをふところにして、嘉平治平かへいじひらはかま焼海苔やきのりつづれる如きを穿うがち、フラネルの浴衣ゆかたの洗ひざらして垢染あかぞめにしたるに、文目あやめも分かぬ木綿縞もめんじま布子ぬのこかさねて、ジォンソン帽の瓦色かはらいろに化けたるを頂き
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
これと似たような運命に陥りつつある場所がお他に一ヶ所あります。それ佐良ざら峠の南に続く五色ヶ原です。
日本アルプスの五仙境 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
尤も中には何処へ出しても引けを取らない珍らしいのもまざつてゐるが、一番多いのは今普通ざらにある五厘、一銭五厘、三銭……といつたやうな切手で、池田氏はその値段を勘定するのに
Aはその副院長の前で、谷山家の秘密を洗いざらいサラケ出したばかりでなく、自分の発狂の真原因までも思い出して、アッサリ白状してしまったのでした。
キチガイ地獄 (新字新仮名) / 夢野久作(著)