ざら)” の例文
その上で……如何にも吾輩が最初から計画してやった仕事に相違ない……という事にして、洗いざらい泥水を吐き出しましょうかね。
爆弾太平記 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
洗いざらい貴方の筆にかけて頂いて、妾の罪深い生涯をとむらって頂こうと思って、そればっかりを楽しみにしていたのよ
けむりを吐かぬ煙突 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
そうして奥さんの不行跡ふしだらを自分一人が知っている事のように洗いざらい並べ立てて脅迫しながら、済まないがここのところを暫くの間、眼をつむってもらえまいか。
二重心臓 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
だから今となっては何もかも洗いざらい話した方がよくはないか。その方が娘さん夫婦のためになると思うがどうだね。ロスコー家の秘密を何もかも話してくれないかね。
S岬西洋婦人絞殺事件 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
とても恐ろしゅうて恐ろしゅうて、気が揉めて気が揉めて……という涙ながらの物語で、蔵元屋の内幕を洗いざらい喋舌って帰りましたが、イヤモウ肝の潰れるお話ばっかりで……
洗いざらい話してみるけに、まあ聞いてみなさい。