“さらし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
44.1%
晒布35.6%
晒木綿11.9%
1.7%
1.7%
洗骨1.7%
白布1.7%
白晒布1.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
あくる日、千日前で「海女の実演」という見世物小屋にはいり、海女の白い足やさらしを巻いた胸のふくらみをじっと見つめていた。
放浪 (新字新仮名) / 織田作之助(著)
私は其日、晒布さらしの袖無を着て帯も締めず、黒股引に草履を穿いて、額の汗を腕で拭き/\、新家の門と筋向になつた或駄菓子屋の店先に立つてゐた。
二筋の血 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
継母のおまんは半蔵のために青地あおじにしきの守り袋を縫い、妻のお民は晒木綿さらしの胴巻きなぞを縫ったが、それを見る半蔵の胸にはなんとなく前途の思いがおごそかに迫って来た。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
「五日。(八月。)雨。常徳院様御三十五日御当日に付、御遺物頂戴被仰付。如左。金巾かなきん御紋付御小袖一つ、さらし御紋付一つ、為別段べつだんとして唐桟御袴地一つ、唐更紗御布団地一つ、計四品、於御納戸頂戴。」常徳院は正寧の法諡はふしである。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
首が晒されているのです。つまり、生きた人間を縛ってさらす代りに、人間の首を切って、そうしてそれをさらしにかけました。
大菩薩峠:38 農奴の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
……あたしの郷里くにでは、人が死ぬとお洗骨さらしということをするン。あッさりと埋めといて、早く骨になるのを
昆虫図 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
この家老も、微傷びしょうを負った事を示すように、左の手首を白布さらしで巻いていたが、何となくそれが可笑おかしく見えて、顔つきと手頸の繃帯がうつろわない。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すそも短い、白晒布さらしのよごれぬいた着物ひとえに、手甲てっこう脚絆きゃはんをつけ、素足にわらんじを穿いた——大人おとなかと思えば大人でもなく、子供かと思えば子供でもない男が——虚空へ向って身を仰向け
新書太閤記:01 第一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)