ざら)” の例文
と、憎々しく高らかに笑ったが、「これさ島君驚いたか、もうこうなれば何もかも洗いざらい云って聞かせる——設計図みつもりずを盗んだは俺ではない。 ...
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
自分はただ洗いざらい自分の思わくを話してしまわないだけで、話しただけは真面目に話したんである。すこしも裏表はない。腹から叮嚀ていねいに答えた。坑夫はしばらくの間黙って雁首をながめていた。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)