ざら)” の例文
なんて教えてくだすッたんだけど、まさか、こんな洗いざらした着物五拾銭も借さないでしょうのに、私とてもさびしくなってしまった
魚の序文 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
一巻のブックをふところにして、嘉平治平かへいじひらはかま焼海苔やきのりつづれる如きを穿うがち、フラネルの浴衣ゆかたの洗ひざらして垢染あかぞめにしたるに、文目あやめも分かぬ木綿縞もめんじま布子ぬのこかさねて、ジォンソン帽の瓦色かはらいろに化けたるを頂き
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)