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更
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か
ふりがな文庫
“
更
(
か
)” の例文
まるで
捨身
(
すてみ
)
のかまえとしか見えない。もし位置を
更
(
か
)
えて、信玄がそれに拠るとしたら、信玄は決して
晏如
(
あんじょ
)
としていられない気がする。
上杉謙信
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
この竹の筒のやうなものが
都合
(
つごう
)
十八あつたのを取り
更
(
か
)
へ取り更へてかけて見たが、過半は西洋の歌であるので我々にはよくわからぬ。
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
宿舎は隊の方から指定してくれた所に宿泊することになっていて、
妄
(
みだ
)
りに宿所を
更
(
か
)
えることは出来ません。大抵は村落の農家でした。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
其日
(
そのひ
)
は
二人
(
ふたり
)
して
町
(
まち
)
へ
買物
(
かひもの
)
に
出
(
で
)
やうと
云
(
い
)
ふので、
御米
(
およね
)
は
不斷着
(
ふだんぎ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぎ
更
(
か
)
へて、
暑
(
あつ
)
い
所
(
ところ
)
をわざ/\
新
(
あた
)
らしい
白足袋
(
しろたび
)
迄
(
まで
)
穿
(
は
)
いたものと
知
(
し
)
れた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私たちはいつもヴェランダの椅子にかけて、朝から晩まで、移り変る
陽脚
(
ひあし
)
と、それに応じて色を
更
(
か
)
える海の相とを眺めて暮らした。
踊る地平線:12 海のモザイク
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
▼ もっと見る
そして、狙いを定めているうちに、馬車はごとりと揺れ、ぎしぎしと
軋
(
きし
)
めきながら方向を
更
(
か
)
えた。同時に密茂した樹木が車体を隠した。
熊の出る開墾地
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
得て来たものでまた現実を
更
(
か
)
えてゆくということは全く自分の努力なしにはあり得ないことですから、そう云う意味を生活というなら
女性の生活態度
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
今はすっかり気を
更
(
か
)
えて、いずれこの少年が子供を持つと、大概こんな大
見栄
(
みえ
)
を切るのだろうと、そう思うと何の不平も起らなくなった。
端午節
(新字新仮名)
/
魯迅
(著)
それで筆者は幾度か考え直すに努めて見たものの、これを
更
(
か
)
えてしまっては、全然この物語を書く情熱を失ってしまうのである。
雛妓
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
さて着眼点を
更
(
か
)
えて私は思います。寺内内閣は、どうして民衆の生命に関する問題をこうまで危険に
瀕
(
ひん
)
せしめたのでしょうか。
食糧騒動について
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
家内は一人ずつ寝巻に着
更
(
か
)
えさせた。下女はまた、人形でも抱くようにして、
柔軟
(
やわらか
)
なお繁の
頬
(
ほお
)
へ自分の紅い頬を押宛てていた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
着物を
更
(
か
)
えて晩餐、食後新聞、雑誌、小説など。トランプもやった。若いうち就寝前の一時間を実験室か書卓で費やしたが、晩年はやめた。
レーリー卿(Lord Rayleigh)
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
ところが間もなく光政は参覲のため江戸へ出立することになり、その日が来ると、長門は急に
月代
(
さかやき
)
を
剃
(
そ
)
り衣服を
更
(
か
)
え、門を開いて外へ出た。
備前名弓伝
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
そこで迎えた法師が経を読み終えて、いよいよ食膳につくという時になると、法師が『御免なさい』といって袈裟を脱いで輪袈裟に
更
(
か
)
える。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
今しがた
繃帯
(
ほうたい
)
を
更
(
か
)
へてもらつたところださうで、なるほど左の指が三本ほど一緒に
真新
(
まあた
)
らしい繃帯でゆはへてありました。
死児変相
(新字旧仮名)
/
神西清
(著)
黒い毛織の服を黒の絹のに
更
(
か
)
へた——銀鼠のをのけると、私の持つてゐるものでは最上のそして、たつた一つ餘分に私が持つてゐる晴着なのだ。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
花嫁自身髪結の家から島田で帰って着物を
更
(
か
)
え、車は
贅沢
(
ぜいたく
)
、甲州街道まで歩いてガタ馬車で嫁入るなぞはまだ好い方だ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
結婚といふものは、不思議なもので、一度で
霊魂
(
たましひ
)
まで
黒焦
(
くろこげ
)
にしてこり/\するのもあれば、
性懲
(
しやうこ
)
りもなく
幾度
(
いくたび
)
か相手を
更
(
か
)
へて平気でゐるのもある。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『それは
舞踏
(
ぶたう
)
の
第一
(
だいいち
)
の
姿勢
(
しせい
)
だわ』と
云
(
い
)
つたものゝ
愛
(
あい
)
ちやんは、
全
(
まつた
)
く
當惑
(
たうわく
)
したので、
切
(
しき
)
りに
話頭
(
はなし
)
を
更
(
か
)
へやうとしました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
お祭だと云ふ特別な心持で居ながら、やはり二人ぎりで箸を取る食事は寂しかつた。一時半頃に服を
更
(
か
)
へて家を出た。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
私のつくり
更
(
か
)
え、男は汚れても女は汚れぬと、男はこう悟るが、中々女の諦めきれぬのをよく
諦悟
(
ていご
)
させた歌である。
傾城買虎之巻
(新字新仮名)
/
直木三十五
(著)
氏はちょっと話頭を
更
(
か
)
え、「高村さん、いよいよ話が
極
(
き
)
まったら、一つ早速
実行
(
やっ
)
ておもらいしたいものがある……」
幕末維新懐古談:65 学校へ奉職した前後のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「九日。(五月。)徳今夕より関へ数学入門。」三たび師を
更
(
か
)
へたのであらうか。是月の末に東京にある藤陰が書を棠軒に寄せた。其文はかうである。
伊沢蘭軒
(新字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
左伝通読十一偏その中、塾も二度か三度か
更
(
か
)
えた事があるが、最も多く漢書を
習
(
ならっ
)
たのは、
白石
(
しらいし
)
と云う先生である。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ただ彼は時に死よりも重きものあるを観、これを成さんがために死をも辞せざりしなり。
然
(
しか
)
れば彼は
要撃
(
ようげき
)
の事をも、中頃に至って
要諫
(
ようかん
)
とはいい
更
(
か
)
えたり。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
聴く。小児衣上に遣尿す。秀吉笑って一
女倭
(
じょわ
)
を呼びて小児を託し、其場に衣を
更
(
か
)
う。傍に人無きが如くである
碧蹄館の戦
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
お前が分別さえ
更
(
か
)
えれば妾がすぐにも親方様のところへ行き、どうにかこうにか
謝罪
(
あやまり
)
云うて一生懸命精一杯、
打
(
ぶ
)
たれても
擲
(
たた
)
かれても動くまいほど覚悟をきめ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
衣を
更
(
か
)
え、帯を結ぶに当って、そこにかすかな風が起る。その風によってしずかな燭の火がゆらぐというのである。「あふち」という語は
煽
(
あお
)
りと同意であろう。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
何うかそれを造り
更
(
か
)
へて呉れろと頼んでも、村の故老は
断乎
(
だんこ
)
としてそれに応じようともせぬとの事である。
重右衛門の最後
(新字旧仮名)
/
田山花袋
(著)
「危い事だった。彼の獅子は病気だから、昨夜彼の箱に入れ
更
(
か
)
えたのだ。病気でなけりゃ、お前さんは喰われてしまったろう。危い。ヨナのような小僧さんだ」
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
これに絣が入って静かなよい調子を示します。しかし近頃は「手結」の法を棄てて、新しく「
絵図
(
いいじい
)
」と呼ぶ法に
更
(
か
)
えたため、柄の過ちが急に目立って来ました。
手仕事の日本
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
藻西太郎も初めの中は
何
(
どう
)
でしたか手を
更
(
か
)
え品を変えて口説かれるうちにはツイ其気になり、
夫
(
それ
)
に又商売は暇になる此儘居ては身代限り可愛い女房も
食
(
くわ
)
し兼る事に成るし
血の文字
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
汝彼と彼の
恩惠
(
めぐみ
)
とを望み待て、彼あるによりて多くの民改まり、貧富
互
(
かたみ
)
に地を
更
(
か
)
へむ 八八—九〇
神曲:03 天堂
(旧字旧仮名)
/
アリギエリ・ダンテ
(著)
汚点
(
しみ
)
だらけ……そのうち、一間しかないこの座敷の隅ずみに、埃がうずたかく積もって、ぬぎ捨てた
更
(
か
)
え着がはげちょろけの
紅
(
もみ
)
裏を見せてひっくり返っているかと思うと
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
「姫よ。おまえがあんまりオシャベリをするから本当の話でも嘘と思われるのだ。これからお前はオトナシ姫と名を
更
(
か
)
えろ。そうして決していらぬことをオシャベリするな」
オシャベリ姫
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
かぐつちみどり
(著)
毎日、学校から帰って来るとはすぐ、
袴
(
はかま
)
を脱いで帯に
締
(
し
)
め
更
(
か
)
え、商品を抱えて出かけるのではあるが、さていよいよとなるとどうしても人の家に這入ることができなかった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
もう一つ、今度彼が決行を急いだ理由は、伯父がその財産管理人としての権利を伸長させてベシイの全財産を政府の年金に組み
更
(
か
)
えはしないかということを
懼
(
おそ
)
れたためだった。
浴槽の花嫁
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
左
(
と
)
に
右
(
か
)
く
天禀
(
うまれつき
)
の才能に加えて力学衆に
超
(
こ
)
え、早くから頭角を出した。万延元年の生れというは大学に入る時の年齢が足りないために戸籍を作り
更
(
か
)
えたので実は文久二年であるそうだ。
鴎外博士の追憶
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
不思議の
風雨
(
ふうう
)
に、
隙
(
ひま
)
なく線路を
損
(
そこな
)
はれて、官線ならぬ鉄道は其の
停車場
(
ステエション
)
を
更
(
か
)
へた位、
殊
(
こと
)
に桂木の
一
(
いっ
)
家族に取つては、祖先、此の国を領した時分から、
屡々
(
しばしば
)
易
(
やす
)
からぬ奇怪の歴史を有する
二世の契
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小屋に這入ると、何より先きに、着かえを取り出して、汗にぬれた下着をぬぎ
更
(
か
)
えた。霧は絶えまなく小屋を包んで、小さな二重窓からは、真白にただようものの外は、何も見えない。
スウィス日記
(新字新仮名)
/
辻村伊助
(著)
「いやその
安価
(
やすい
)
のが私ゃ気に
喰
(
く
)
わんのだが、先ず御互の議論が通ってあの予算で行くのだから、そう
安
(
やすっ
)
ぽい
直
(
す
)
ぐ
欄
(
てすり
)
の倒れるような
険呑
(
けんのん
)
なものは出来上らんと思うがね」と言って気を
更
(
か
)
え
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「さうだ。學校に頼んで
更
(
か
)
へて貰はう。更へてくれなきやあ最後の手段だ。」と、級長の谷が激越な態度で云つた。みんなは一種の叛逆的な氣分の快さに醉はされたやうに暗默裡に
頷
(
うなづ
)
いた。
猫又先生
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
皿を
更
(
か
)
えるときは、彼は椅子のほうへからだをそらし、
尻
(
しり
)
をちょっと動かす。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
女は
尚
(
なほ
)
も
殊更
(
ことさら
)
に見向かぬを、
此方
(
こなた
)
もわざと
言
(
ことば
)
を掛けずして
子亭
(
はなれ
)
に入り、豊を呼びて衣を
更
(
か
)
へ、
膳
(
ぜん
)
をも
其処
(
そこ
)
に取寄せしが、何とか為けん、必ず
入来
(
いりく
)
べき満枝の食事を
了
(
をは
)
るまでも来ざるなりき。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
まず娘どもを
浴
(
ゆあみ
)
させ新鮮潔白な絹衣を着せ、高壇に上って早朝より日中まで立たしむると、熱国の強日に
曝
(
さら
)
され汗が絹衣に
徹
(
とお
)
る。一々それを新衣に
更
(
か
)
えしめ、汗に
沾
(
うるお
)
うた絹衣を収めて王に呈す。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
(はやく次の間で着物を
更
(
か
)
えて、彼の来ないうちに寝支度をしてくれ)
地上:地に潜むもの
(新字新仮名)
/
島田清次郎
(著)
ややあって衛律が服を
更
(
か
)
えるために座を退いた。初めて隔てのない調子で立政が陵の
字
(
あざな
)
を呼んだ。
少卿
(
しょうけい
)
よ、多年の苦しみはいかばかりだったか。
霍子孟
(
かくしもう
)
と
上官少叔
(
じょうかんしょうしゅく
)
からよろしくとのことであったと。
李陵
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
現
(
げ
)
にやうやくにして歸りぬ。されど二人の賓客を伴へり、夫人は一聲アントニオと云ひしが、
忽
(
たちまち
)
又調子を
更
(
か
)
へてアントニオ
君
(
ぎみ
)
と云ひつゝ、その
嚴
(
おごそ
)
かに落つきたる目を擧げて、夫と我とを見くらべたり。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
更
(
か
)
へるとすれば私は当然その位の時間は見出せると思ひました。
『青鞜』を引き継ぐに就いて
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
方角を
更
(
か
)
え得られるような信仰ではなかったかと思う。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
更
常用漢字
中学
部首:⽈
7画
“更”を含む語句
夜更
更衣
深更
着更
初更
衣更
猶更
尚更
五更
変更
更紗
殊更
三更
二更
更生
一更
更行
満更
今更
万更
...