“子亭”の読み方と例文
読み方割合
はなれ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
彼はにはかに心着きて履物はきものあらため来んとて起ちけるに、いで起てる満枝の庭前にはさきの縁に出づると見れば、傱々つかつかと行きて子亭はなれの入口にあらはれたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「いいえ、貴方あなた、私は見て参りましたので御座いますよ。子亭はなれにゐらつしやりは致しません、それは大丈夫で御座います」
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
「豊、豊!」と老婢を呼ぶ声はげし縁続えんつづき子亭はなれよりきこゆれば、ぢきに走り行く足音の響きしが、やがて返しきたれる老婢は客間にあらはれぬ。宮は未だかしらを挙げずゐたり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)