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更
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さ
ふりがな文庫
“
更
(
さ
)” の例文
どんなに世の中が、あるいは政府が、これが一番だと推奨してくれても、私が好まないものであれば、恋愛は
更
(
さ
)
らに起らないのだ。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
玄竹
(
げんちく
)
は
當
(
あ
)
てこすりのやうなことを
言
(
い
)
つて、
更
(
さ
)
らに
劇
(
はげ
)
しく
死體
(
したい
)
を
動
(
うご
)
かした。三
人
(
にん
)
の
武士
(
ぶし
)
は、『ひやア。』と
叫
(
さけ
)
んで、また
逃
(
に
)
げ
出
(
だ
)
した。——
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
沛然
(
はいぜん
)
として金銀の色に落ちて来た、と同時に例の
嫁入
(
よめいり
)
行列の影は
何町
(
なんちょう
)
を
往
(
い
)
ったか、姿は一団の霧に隠れて
更
(
さ
)
らに
透
(
すか
)
すも見えない。
菜の花物語
(新字新仮名)
/
児玉花外
(著)
更
(
さ
)
らに
兵庫
(
ひょうご
)
の
和田岬
(
わだみさき
)
に新砲台の
建築
(
けんちく
)
を命じたるその命を受けて
築造
(
ちくぞう
)
に従事せしはすなわち
勝氏
(
かつし
)
にして、その
目的
(
もくてき
)
は
固
(
もと
)
より
攘夷
(
じょうい
)
に外ならず。
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
つまみ
出
(
だ
)
して
障子
(
せうじ
)
を
締
(
し
)
めた、
殘暑
(
ざんしよ
)
といふものは
惡
(
わ
)
る
惡
(
わる
)
う
暑
(
あつ
)
い、
空氣
(
くうき
)
が
通
(
かよ
)
はないから
尚
(
な
)
ほ
更
(
さ
)
らである、
曇
(
くも
)
つてゐるから
頭痛
(
づつう
)
がする、たまらぬ。
ねこ
(旧字旧仮名)
/
北村兼子
(著)
▼ もっと見る
中津藩の小士族で他人に
侮辱
(
ぶじょく
)
軽蔑
(
けいべつ
)
されたその不平不愉快は骨に
徹
(
てっ
)
して忘れられないから、今
更
(
さ
)
ら他人に屈してお辞儀をするのは禁物である。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
これらの傷口から、流れ出している血潮の河の方向が、傷口の小さ過ぎる事などよりは
更
(
さ
)
らに一層奇怪な感じを与えるのだ。
悪霊
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
妙の方はどんな料簡だか、
更
(
さ
)
らに私には分りません。早瀬とくッついて、それが自由結婚なら、自由結婚、誰かと駈落をすれば、それは駈落結婚
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
彼
(
かれ
)
はじつとしてゐられなかつた。
失
(
うしな
)
はれようとする
人気
(
にんき
)
を
取返
(
とりか
)
へさうとして、
彼
(
かれ
)
は
更
(
さ
)
らに
世界的
(
せかいてき
)
に
自己
(
じこ
)
を
宣伝
(
せんでん
)
して、
圧倒的
(
あつたうてき
)
に
名声
(
めいせい
)
を
盛返
(
もりか
)
へさうと
考
(
かんが
)
へた。
彼女の周囲
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
彼
(
かれ
)
は
更
(
さ
)
らに
熱
(
あつ
)
い
茶
(
ちや
)
の一
杯
(
ぱい
)
が
飮
(
の
)
みたかつたのである。
彼
(
かれ
)
は
竈
(
かまど
)
の
底
(
そこ
)
にしつとりと
落
(
お
)
ちついた
灰
(
はひ
)
に
接近
(
せつきん
)
して
手
(
て
)
を
翳
(
かざ
)
して
見
(
み
)
た。まだ
軟
(
やはら
)
かに
白
(
しろ
)
い
灰
(
はひ
)
は
微
(
かすか
)
に
暖
(
あたた
)
かゝつた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
また
目方
(
めかた
)
にしてもその
通
(
とおり
)
で
此処
(
ここ
)
で十
匁
(
もんめ
)
あるものを赤道直下で
量
(
はか
)
ったらきっと
目方
(
めかた
)
が減る、
更
(
さ
)
らに太陽や惑星の力を受けない世界に行って
目方
(
めかた
)
を
量
(
はか
)
るとしたら
大きな怪物
(新字新仮名)
/
平井金三
(著)
しかし米国エヂソン社では、
更
(
さ
)
らに研究して、更らに進歩させんとしているに相違ないと思うのである。
活動写真
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
更
(
さ
)
らに、その雪の肌に彫られた
刺青
(
いれずみ
)
が
如何
(
いか
)
に見事であり、人々の眼を奪うものであるかも承知して居る。
刺青
(新字新仮名)
/
富田常雄
(著)
駱駝が進むに従って、金字塔は次第に近付いて来る。四百八十一
呎
(
フィート
)
の、高さを持った其姿、今
更
(
さ
)
らながら雄偉である。北に向かった斜面の方へ、博士は駱駝を急がせた。
木乃伊の耳飾
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
昔から風景が
卓
(
すぐ
)
れていることで名高いのであるが、
更
(
さ
)
らに春の季節になると、その南の島には珍しい桜の樹が、緑の山々を背景に、その花ばなの見事さを高台いっぱいに誇る。
霧の蕃社
(新字新仮名)
/
中村地平
(著)
そしてその一方の花畑などは、水車の道を
越
(
こ
)
して、
更
(
さ
)
らにその道の向うまで
氾濫
(
はんらん
)
していた。
美しい村
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
西洋料理人でも日本料理人でも今の有様は
椽
(
えん
)
の下の力持、誰が好い腕を持っている、誰が何料理を得意にすると
各々
(
おのおの
)
独得の
技倆
(
ぎりょう
)
を持っていながら
更
(
さ
)
らに世人へは知れていません。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
文士ならば同業の人に対して、たとい無名氏にせよ、今少しの同情と尊敬があって然るべきだと思う。余は「土」の作者が病気だから、此場合には
猶
(
な
)
お
更
(
さ
)
らそう云いたいのである。
『土』に就て:長塚節著『土』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
妾
(
わたし
)
も安堵して、この世を去り
兼
(
か
)
ねまするに、
更
(
さ
)
らに、母は己の愛着のあまり、
死出
(
しで
)
の姿にかうるに、この様な、
妾
(
わたし
)
が婚礼の姿をその
儘
(
まま
)
着せてくれまして、頭の髪も、こんな
高田髷
(
たかたまげ
)
に
結
(
ゆ
)
うて
雪の透く袖
(新字新仮名)
/
鈴木鼓村
(著)
雨は
膚
(
はだ
)
まで
沁
(
し
)
み
徹
(
とお
)
ってぞくぞく寒かった。彼れの
癇癪
(
かんしゃく
)
は
更
(
さ
)
らにつのった。彼れはすたすたと佐藤の小屋に出かけた。が、ふと集会所に行ってる事に気がつくとその足ですぐ神社をさして急いだ。
カインの末裔
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
更
(
さ
)
らにすかせば
眼
(
め
)
に
暗
(
く
)
らき
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
もこがすなる
勿体
(
もつたい
)
なけれど
何事
(
なにごと
)
まれお
腹立
(
はらだ
)
ちて
足踏
(
あしぶみ
)
ふつになさらずは
我
(
わ
)
れも
更
(
さ
)
らに
参
(
まゐ
)
るまじ
願
(
ねが
)
ふもつらけれど
火水
(
ひみづ
)
ほど
中
(
なか
)
わろくならばなか/\に
心安
(
こゝろやす
)
かるべしよし
今日
(
けふ
)
よりはお
目
(
め
)
にもかゝらじものもいはじお
気
(
き
)
に
障
(
さは
)
らばそれが
本望
(
ほんまう
)
ぞとて
膝
(
ひざ
)
につきつめし
曲尺
(
ものさし
)
ゆるめると
共
(
とも
)
に
隣
(
となり
)
の
声
(
こゑ
)
を
闇桜
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
更
(
さ
)
らに
奇怪
(
きかい
)
なりしは仏国公使の
挙動
(
きょどう
)
にして
本来
(
ほんらい
)
その事件には全く
関係
(
かんけい
)
なきにかかわらず、公然書面を政府に
差出
(
さしいだ
)
し
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
貴重な三分間を
費
(
ついや
)
し、紙幣は灰になるまで監視し、それを
更
(
さ
)
らにこなごなにしてから、証文の束を投げ入れた。
月と手袋
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
今
更
(
さ
)
ら云たって
仕方
(
しかた
)
はないが、何しろ
喰物
(
くいもの
)
が不自由だろう、着物が足りなかろうと云て、
夫
(
そ
)
れから宅に
帰
(
かえっ
)
て
毛布
(
ケット
)
を
持
(
もっ
)
て行て
遣
(
やっ
)
たり、牛肉の煮たのを持て行て遣たり
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
どの国でいつ
頃
(
ごろ
)
始まって、どう流れたものか、どう世界へ
拡
(
ひろ
)
がったか、
誰
(
だ
)
れが発明したものか一切不明であります、
勿論
(
もちろん
)
私は歴史的な事を調べる事がうるさい性質ですからなお
更
(
さ
)
らわかりません。
楢重雑筆
(新字新仮名)
/
小出楢重
(著)
幽
(
かす
)
かに
更
(
さ
)
らにひそやかに
全都覚醒賦
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
形勢
(
けいせい
)
の
急
(
きゅう
)
なるは、幕末の時に
比
(
ひ
)
して
更
(
さ
)
らに急なるその
内乱
(
ないらん
)
危急
(
ききゅう
)
の場合に際し、外国人の
挙動
(
きょどう
)
は如何というに、
甚
(
はなは
)
だ
平気
(
へいき
)
にして
干渉
(
かんしょう
)
などの
様子
(
ようす
)
なきのみならず
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
左
(
さ
)
れば先生の
考
(
かんがえ
)
にては、新聞紙上に掲載を終りたる後、
更
(
さ
)
らに
自
(
みず
)
から筆を
執
(
とり
)
てその
遺漏
(
いろう
)
を補い、又後人の参考の
為
(
た
)
めにとて、幕政の当時親しく見聞したる事実に
拠
(
よ
)
り
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
犯人はどこから這入りどこから逃げたかという様な点を別にしても(それらの点が、この事件全体を妖異不可解ならしめた、
著
(
いちじる
)
しい特徴であったことは
勿論
(
もちろん
)
だが)
更
(
さ
)
らにその外に
魔術師
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
更
(
さ
)
らに二氏の答書を
促
(
うなが
)
したる
手簡
(
しゅかん
)
ならびに二氏のこれに答えたる返書を後に附記して、読者の参考に供す。
瘠我慢の説:01 序
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
北と南の二方
丈
(
だ
)
けに開かれた、たった二つの、小さな鉄棒をはめた窓が、凡ての光源であったが、それを
更
(
さ
)
らに陰気にする為に、彼は南の窓の鉄の扉を、ぴっしゃりと締切ってしまった。
虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
左
(
さ
)
れば先生の
考
(
かんがえ
)
にては、新聞紙上に掲載を終りたる後、
更
(
さ
)
らに
自
(
みず
)
から筆を
執
(
とり
)
てその
遺漏
(
いろう
)
を補い、又後人の参考の
為
(
た
)
めにとて、幕政の当時親しく見聞したる事実に
拠
(
よ
)
り
福翁自伝:01 〔慶應義塾の社中にては〕
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
第二の手掛りというのは、これは読者にまだ分っていない事柄だが、この事件を
更
(
さ
)
らに怪奇不思議ならしめた所の「犯罪者のプロパガンダ」と
謂
(
い
)
われた、大胆不敵な賊の自己紹介であった。
恐怖王
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
更
常用漢字
中学
部首:⽈
7画
“更”を含む語句
夜更
更衣
深更
着更
初更
衣更
猶更
尚更
五更
変更
更紗
殊更
三更
二更
更生
一更
更行
満更
今更
万更
...