あら)” の例文
背中にしっかりっ付いている、早速とり出して、写真機のレンズをあらためると、幸にきずもついていない、フィルムは撮し残りがたった二枚あるだけで
スウィス日記 (新字新仮名) / 辻村伊助(著)
じやがづラクダルさんに試驗しけんをしてもらはなければならぬ、其上でお前に怠惰屋なまけやになるだけの眞實ほんたう力倆りきりやうがあるときまれば、あらためてお前をの人の弟子でしにしてもらふ、如何どうだ、これは?
怠惰屋の弟子入り (旧字旧仮名) / 国木田独歩(著)
彼様あんな松島様などの言ふことが何の証拠になりますと拒絶はねつけりましたの、それツきり道時も何も言ひませんでしたがネ、昨日ですよ、外務省やくしよから帰りましてネ、服もあらためずに言ふんです
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
人としてあらたまった、身も震うような新鮮な意気と熱情とを以て人として生き抜こう為に、箇性の命ずる方向に進展して行こうとする女性の希望と理想とは、真実に深く激しいものである。
概念と心其もの (新字新仮名) / 宮本百合子(著)