もッ)” の例文
もう羽織はなしで、つむぎだか銘仙だか、夫とももッい物だか、其も薩張さっぱり分らなかったが、なにしても半襟の掛った柔か物で、前垂まえだれを締めて居たようだった。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
それよりももッと不思議なは、忽然として万籟ばんらい死して鯨波ときのこえもしなければ、銃声も聞えず、音という音は皆消失せて、唯何やら前面むこうが蒼いと思たのは、大方空であったのだろう。