“世間並”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せけんなみ87.5%
せけんな12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
四十の上をもう三つか四つ越したこの叔母の態度には、ほとんど愛想あいそというものがなかった。その代り時と場合によると世間並せけんなみの遠慮を超越した自然が出た。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
これは少し冤罪えんざいであった。勿論もちろんこの銀行員の風采は、伯爵中尉と比べることは出来ない。しかし世間並せけんなみから言えば、かなりの男振りで、立派に通用するのである。
だからあたしも世間並せけんなみに、裁縫さいほうをしたり、割烹かっぽうをやったり、妹の使うオルガンをいたり、一度読んだ本を読み返したり、うちにばかりぼんやり暮らしているの。
文放古 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
しんの心は、要らないどころか、大事だいじで大事でならないものを、うるさいなどゝあんまり世間並せけんなみなことを仰言るな、あなたのめぐまれた母の愛を、なほこのうへとも眞面目まじめにお大切たいせつになさいまし。
冬を迎へようとして (旧字旧仮名) / 水野仙子(著)