“箇々”の読み方と例文
読み方割合
ここ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
時には師匠の鶯の方から一定の場所に出張し弟子の鶯共がその周囲に集まりあたかも唱歌の教室のごとき観を呈するもちろん箇々ここの鶯によって素質の優劣ゆうれつ声の美醜びしゅうがあり
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
絶えてこれを知る者あらず。およそ人生箇々ここの裏面には必ず如此かくのごとき内情もしくは秘密とも謂ふべき者ありながら、さいはひに他の穿鑿せんさくを免れて、瞹眛あいまいうちに葬られをはんぬるためしすくなからず。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
人間の箇々ここの消長や、文化の変転の何ものをも見ることはできなかったけれども、ふもとから登ってくるものの噂によると、どうして、この半年ほどの間に、世間のなかの変りようは
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)