あど)” の例文
すがって頼むようにあどなく云って、しっかり格子につかまって、差覗きながら
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
一列ひとならび、むしろの上を六尺ばかり、ぐるりと廻る。手足も小さくあどない顔して、目立った仮髪かつらまげばかり。麦藁細工むぎわらざいくが化けたようで、黄色の声でせた事、ものを云う笛を吹くか、と希有けぶに聞える。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)