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うわごと
ふりがな文庫
“
譫語
(
うわごと
)” の例文
モハヤアノ
譫語
(
うわごと
)
ハ、譫語ヲ装ッテイルノデアルヿヲ疑ウ餘地ガナクナッタ。トスルト、何ノ目的デサヨウナヿヲスルノデアロウカ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「寒月君、君の事を
譫語
(
うわごと
)
にまで言った婦人の名は、当時秘密であったようだが、もう話しても善かろう」と迷亭がからかい出す。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
時々、寝殿の
帳
(
とばり
)
から、
譫語
(
うわごと
)
が洩れてきた。そのたびに、侍臣が駈けこんで、枕頭をうかがっていると、曹操は
眦
(
まなじり
)
をあげて
三国志:10 出師の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
とき/″\
譫語
(
うわごと
)
のように「まあ、面白い」とか「ほんとに人を
莫迦
(
ばか
)
にしてるよ」と言って、
唐突
(
とうとつ
)
にぱか/\と笑います。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
彼女を破滅させる恐ろしい秘密を
譫語
(
うわごと
)
に聞くという、二重の苦悶で頭が惑乱することがなかったならば、私は決して彼女を死なせはしなかったでしょう
麻酔剤
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
▼ もっと見る
八方から、丁度熱に浮かされた
譫語
(
うわごと
)
のような、短い問や
叫声
(
さけびごえ
)
がする。誰やらが衝立のような物の所へ駆け附けた。
罪人
(新字新仮名)
/
ミハイル・ペトローヴィチ・アルチバシェッフ
(著)
場違いのステテコだ……てんで船中の大評判になったんだそうで……おまけに二人とも……大変だ大変だ……とか何とか変な
譫語
(
うわごと
)
を並べたもんですから
人間腸詰
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
曩謨婆誐嚩帝嚩囉駄囉
(
のうぼばぎゃばていばざらだら
)
、
婆誐囉捏具灑耶
(
さぎゃらにりぐしゃや
)
、
怛陀孽多野
(
たゝぎゃたや
)
、
怛儞也陀唵素噌閉
(
たにやたおんそろべい
)
、
跋捺囉嚩底
(
ばんだらばち
)
。
※誐※阿左※阿左跛※
(
ぼうぎゃれいあしゃれいあしゃにれい
)
。
何
(
なん
)
だか外国人の
譫語
(
うわごと
)
の様で訳がわからない。
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そうして熱の高い時には
譫語
(
うわごと
)
のように人形の口真似をして、パパアやママアを叫んでいたということだ。
河鹿
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
あさっては正月というに天井の
煤
(
すす
)
も払わず、鬚もそらず、
煎餠蒲団
(
せんべいぶとん
)
は敷きっ放し、来るなら来い、などあわれな言葉を
譫語
(
うわごと
)
の
如
(
ごと
)
く力無く
呟
(
つぶや
)
き、またしても、えへへ、と笑うのである。
新釈諸国噺
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
ただし、この想像は、一人の酔客があって、爛酔して
譫語
(
うわごと
)
を発しているという想像だけで、その客の人相骨柄というようなものは、雪洞の光を待って、はじめて明らかなるを得たのです。
大菩薩峠:40 山科の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
夜具からヒョイと顔を出すと、
譫語
(
うわごと
)
のように紋兵衛は云った。年は
幾歳
(
いくつ
)
か不明であったが、頭髪白く顔には
皺
(
しわ
)
があり、六十以上とも見られたが、どうやらそうまでは行っていないらしい。
八ヶ嶽の魔神
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
熱はげしくて
譫語
(
うわごと
)
のみ言いしを、エリスがねもごろにみとるほどに、ある日相沢は尋ね来て、余がかれに隠したる
顛末
(
てんまつ
)
を
審
(
つば
)
らに知りて、大臣には病の事のみ告げ、よきように
繕
(
つくろ
)
い置きしなり。
舞姫
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そして最後の苦悩の
譫語
(
うわごと
)
にも自分の無罪を弁解して、繰り返した。
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
「酔っ払っているか
譫語
(
うわごと
)
を言っているかだ。」と先生が言った。
宝島:02 宝島
(新字新仮名)
/
ロバート・ルイス・スティーブンソン
(著)
その夜から妻は高熱のために
譫語
(
うわごと
)
をいうようになりました。
猫と村正
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
あの時の半睡半醒の状態は、大体あの折の日記に書いた通りであるが、「彼女ノ口カラ『木村サン』トイウ一語ガ
譫語
(
うわごと
)
ノヨウニ
洩
(
も
)
レタ」
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
私も驚ろいて
精
(
くわ
)
しく様子を聞いて見ますと、
私
(
わたく
)
しの逢ったその晩から急に発熱して、いろいろな
譫語
(
うわごと
)
を絶間なく
口走
(
くちばし
)
るそうで
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女が覚醒しないで、そのまま私の腕に死んでゆくかも知れないという心配よりも、
譫語
(
うわごと
)
の中で
両人
(
ふたり
)
の秘密をいい出しはせぬかということが、むしょうに恐ろしくなって来ました。
麻酔剤
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
陽が西の空に廻る時分から
譫語
(
うわごと
)
を言うのでございます、半病人のようになって、わたくしは気味も悪いし、奥さまのお妨げになってもいけないと思ったので、申上げずにいましたが
或る秋の紫式部
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
非常な高熱に浮かされながら、盛んに
譫語
(
うわごと
)
を云い初めたものだそうです。
キチガイ地獄
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
夫人は結納のことを気にして病中も
譫語
(
うわごと
)
に云いつづけていたとやらで、三月の中旬に、光代がその打合せのために蘆屋へ来た。
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「うん、あの時の話しじゃ御嬢さんの方が、始め病気になって——何だか
譫語
(
うわごと
)
をいったように聞いたね」「なにそんな事はありません」と金田夫人は判然たる直線流の言葉使いをする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
やがて、彼女はほんとうに危っかしい
譫語
(
うわごと
)
をはじめました。私ははらはらして
麻酔剤
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
ソシテ最モ奇怪ナノハ、妻ノアノ
譫語
(
うわごと
)
モ同ジ。………「木村サン」トイウ一語ガ今夜モ彼女ノ口カラ洩レタ。
鍵
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
その後も始終誰にもわての顔を見せてはならぬきっとこの事は内密にしてと
夢
(
ゆめ
)
うつつの
裡
(
うち
)
に
譫語
(
うわごと
)
を云い続け
春琴抄
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、己は
譫語
(
うわごと
)
のように云った。そうして彼が無理に握らせた二十銭銀貨を
大人
(
おとな
)
しく
懐
(
ふところ
)
の
蟇口
(
がまぐち
)
の中へ入れた。
小僧の夢
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
昨夜の妙子の
譫語
(
うわごと
)
が原因で二人の間に感情の
縺
(
もつ
)
れがあるらしいことを察したが、それには触れずに、病人に食って懸ろうとする奥畑を宥め、御好意は
寔
(
まこと
)
に有難いけれども
細雪:03 下巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
看病している人の話だと、たまに意識を回復することもあるけれども、大概は
昏睡
(
こんすい
)
状態をつづけていて、ときどき
譫語
(
うわごと
)
を
洩
(
も
)
らすのが、舞に関係した事柄ばかりであると云う。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
「そなたは今しがた、妙な
譫語
(
うわごと
)
を口走って呻って居た。何ぞ
物怪
(
ものゝけ
)
にでも襲われたのか。」
二人の稚児
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
と、病人は、今迄の
譫語
(
うわごと
)
のような調子とは全然違う狂気じみた声を発した。
細雪:02 中巻
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
“譫語”の意味
《名詞》
譫 語(せんご)
筋道の立たない言葉。
(出典:Wiktionary)
譫
漢検1級
部首:⾔
20画
語
常用漢字
小2
部首:⾔
14画
“譫”で始まる語句
譫言
譫妄
譫
譫事
譫話
譫呆様
譫忘状態