河鹿かじか
C君は語る。 これは五六年前に箱根へ遊びに行ったときに、湯の宿の一室で同行のS君から聞かされた話で、しょせんは受売りであるから、そのつもりで聞いて下さい。 つい眼のさきに湧きあがる薄い山霧をながめながら、わたしはS君と午後の茶をすすっていた …
題名が同じ作品
河鹿 (新字新仮名)尾崎士郎 (著)