“方嚮”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ほうこう60.0%
はうかう40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
いつか小川町おがわまちの広い電車通りへ出て来て、そこから神保町の方嚮ほうこうへと歩くのだったが、その辺は不断通っていると、別に何の感じもないのだったが
仮装人物 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「田居に」の「に」は方嚮ほうこうをも含んでいる用例で、「小野をぬゆ秋津に立ちわたる雲」(巻七・一三六八)、「京方みやこべに立つ日近づく」(巻十七・三九九九)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
是等これらはおなじく、神経の雋鋭しゆんえいになつたための一つの証候であるが、これは気稟きひんに本づく方嚮はうかうの違ひであるとつていいだらう。
結核症 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
けはしきを行くことたひらかなる如き筆力、望み方嚮はうかうに從ひて無遠慮なるまで肢體の尺を縮めたる遠近法は、個々の人物をして躍りて壁面を出でしめんとす。