方向ほうこう)” の例文
しま人々ひとびとが、どちらに太陽たいようてゆくときは、どの方向ほうこうへゆくということをおしえてくれたので、それをただ一つのたよりとしました。
南方物語 (新字新仮名) / 小川未明(著)
それと同時どうじ地震波ぢしんぱ地球内部ちきゆうないぶ方向ほうこうにも進行しんこうして反對はんたい方面ほうめんあらはれ、場合ばあひによつては地球ちきゆう表面ひようめん反射はんしやしてふたゝ方面ほうめんむかうのもある。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
野猪ゐのしゝかたちぶた全身ぜんしん黒褐色こつかつしよくのあらいでおほはれてをり、くびみじかいのでけだすときゆうには方向ほうこうへられない動物どうぶつです。
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
人数にんずうはつぎつぎにふえてゆき、やがて火事だとわかったときには、どうもぼくの下宿げしゅくのあたりと思われる方向ほうこうから、もくもくとまっ黒なけむりがすごいいきおいで
もちろん、このあたりをたびなれている鳥たちは、まちがった方向ほうこうにさそいこまれるようなことはありませんが、こまりきっているのはニールスの仲間なかまのガンたちです。
おもってわたくしはここに懺悔ざんげしますが、四辺あたりかみさんたち見張みはっていないと感付かんづいたときに、わたくしこころきゅうにむらむらとあらぬ方向ほうこうきづられてったことは事実じじつでございます。
つまり古今集こきんしゆう時分じぶんには、うたはかういふものだとちひさな標準ひようじゆんをきめてかゝつて、それにあてはまるものをあつめたから、規模きぼちひさい、方向ほうこうあやまつたものが、おほたわけであります。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
いそいで、その方向ほうこうへいきかけましたが、五、六もいくと、きゅうにおもいとまって、もどりかけました。そして、みせまえまできたので
道の上で見た話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし震原しんげん直下ちよつかでなかつたならば、震原しんげんたいして水平すいへい方向ほうこうにも距離きよりくははつてるから、距離きよります/\とほくなるわけである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
一たんは、はっとおどろきましたが、それがなにかのお通報しらせであろうとがついてこころちつけますと、つづいて瀑布たき方向ほうこうあたって、みみがつぶれるばかりの異様いよう物音ものおとがひびきます。
黒ひげの男は、ひと声たかくさけんで、警官のかたごしにピストルをつきだし、つづけざまに五発、透明人間のいるらしい方向ほうこうにむけてぶっぱなした。たまはうなりをしょうじてんでいった。
見れば、ほんとうに、鳥のむれが、いくつもいくつも同じ方向ほうこうに飛んでいます。
どこかの煙突えんとつから、のぼしろけむりが、かぜ方向ほうこうへかきむしられるように、はかなくちぎれています。ぴかりとひかると、達吉たつきちは、はっとして
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
地震計ぢしんけい觀測かんそくによるときは、初動しよどう方向ほうこう觀測かんそくせられるので、したがつて震原しんげん方向ほうこう推定すいていせられ、また初期微動繼續時間しよきびどうけいぞくじかんによつて震原距離しんげんきより計算けいさんせられるから
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
その山は、まるで、先をたちきられたとうのようにけわしいということでした。それから、アッカは、めいめいに方向ほうこうをきめてやり、ターベルイにいくまでの道すじを、ていねいに教えてやりました。
正直しょうじきで、しんじやすいかみなりは、たかのいうことにしたがいました。そして、かみなりは、方向ほうこうてんじて、みやこほうすすんでいきました。黒雲くろくもかみなりに、したがいました。
ぴかぴかする夜 (新字新仮名) / 小川未明(著)
もし昨日きのふまで繁昌はんじようしたサンピールの舊市街きゆうしがい零落れいらくしたあと噴出物流動ふんしゆつぶつりゆうどう方向ほうこうからながむれば、のこつたかべ枯木林かれきばやしのようにえ、それに直角ちよつかく方向ほうこうからるとかべ正面整列しようめんせいれつられたといふ。
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
あかねいろをした、夕空ゆうぞらには、やぐらが、たっていました。そのいただきに、ついているブリキのはたが、かぜ方向ほうこうへ、まわるたびに、おとをたてました。
風七題 (新字新仮名) / 小川未明(著)
「また、おにかかります。」と、一ごんのこして、からすとは、反対はんたい方向ほうこうんでいってしまいました。
紅すずめ (新字新仮名) / 小川未明(著)
あるときはかぜのためにおもわぬ方向ほうこうふねながされ、あるときはなみられてあやうくいのちたすかり、幾月いくつき幾月いくつきうみうえただよっていましたが、ついにあるのこと
不死の薬 (新字新仮名) / 小川未明(著)
我先われさき獲物えものにありつこうとかけるはとにかって突進とっしんしました。ははばとは、たくみに方向ほうこうえて、子供こどもたちのいるから、てき遠方えんぽう遠方えんぽうへとさそったのであります。
僕はこれからだ (新字新仮名) / 小川未明(著)
かれまれたまちは、ちいさなせままちでした。やぐらのいただきに、風車ふうしゃがついていて、かぜ方向ほうこうしめすのであるが、西北せいほくからくときは、天気てんきがつづいたのであります。
風はささやく (新字新仮名) / 小川未明(著)
少女しょうじょは、くらそとほうして、まち方向ほうこうをおじいさんにおしえました。ところどころにいている街燈がいとうひかりえるだけで、あとはかぜおとこえるばかりでした。
三月の空の下 (新字新仮名) / 小川未明(著)
おじいさんのつくってくださったは、このかぜにもけませんでした。若者わかものは、どこへなりとかぜ方向ほうこうながされてゆこうと、運命うんめいまかせてしまったのです。
一本の銀の針 (新字新仮名) / 小川未明(著)
太陽たいようが、だんだん方向ほうこうえて、レールのうえがかげり、うえつめたくなって、したえだには終日しゅうじつたらないことがあるようになってから、かれは、たかえだにからんだ
雪くる前の高原の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
たっちゃんのくみに、田舎いなかから転校てんこうしてきた、ひでちゃんという少年しょうねんがありました。んでいるおうちおな方向ほうこうだったので、よく二人ふたりは、いっしょに学校がっこうへいったり、かえったりしたのであります。
二少年の話 (新字新仮名) / 小川未明(著)
わたしたちは、昨夜ゆうべうみうえわたって、みなみくにへゆこうとして、かぜのためにわずかばかりがまよって、この方向ほうこうんできました。いまに、そのわたしたちの仲間なかまが、ここのそらぎるでありましょう。
公園の花と毒蛾 (新字新仮名) / 小川未明(著)