山の手歳事記やまのてさいじき
猿飴の猿に湯島の時雨かな綺堂 古風な彩色を施し市井芸術としての匂ひいと高い昔ながらの木づくりの猿の看板をかかげて本郷湯島の猿飴は、昭和十八年の末ちかくまで本郷三丁目から湯島天神祠へ至る南側の電車通りに、辛くも伝来の営業をつゞけてゐたが已にそ …