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地方土着の士人に至りてはなお脾肉ひにくせたるを慨嘆し、父祖伝来の戎器じゅうきを貯蔵して時機をちたる、これ当時一般の状態にあらずや。
近時政論考 (新字新仮名) / 陸羯南(著)
眼の縁辺りが薄く隈取られ、小鼻の左右に溝が出来、見れば意外に憔悴もしてい、病んででもいるようにせてもいた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
その後は日毎に見ゆる身躰のせ、とても冬中はと医師も眉を顰むる程になりたれば、それこれの費用多く、今はその日の米代にさへ差支ふる身となりしなり。
小むすめ (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)