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炙
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や
ふりがな文庫
“
炙
(
や
)” の例文
雛鶏
(
ひなどり
)
と
家鴨
(
あひる
)
と羊肉の
団子
(
だんご
)
とを
串
(
さ
)
した
炙
(
や
)
き
串
(
ぐし
)
三本がしきりに
返
(
かや
)
されていて、のどかに燃ゆる
火鉢
(
ひばち
)
からは、
炙
(
あぶ
)
り肉のうまそうな
香
(
かお
)
り
糸くず
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
家ごとに
羔羊
(
こひつじ
)
を屠ってその血を門口の柱と
鴨居
(
かもい
)
とに塗り、火に
炙
(
や
)
いてあまさず食い、また
酵
(
たね
)
入れぬパンに
苦菜
(
にがな
)
をそえて食うべきことを命ぜられた。
イエス伝:マルコ伝による
(新字新仮名)
/
矢内原忠雄
(著)
『日本紀』一に
伊弉冊尊
(
いざなみのみこと
)
火神を生む時
灼
(
や
)
かれて
崩
(
みまか
)
りましぬ、紀伊国熊野の有馬村に葬る。『古事記』には
火之迦具土神
(
ひのかぐつちのかみ
)
を生ますに
御陰
(
みほと
)
炙
(
や
)
かれて崩りましぬ。
十二支考:05 馬に関する民俗と伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
糠
(
ぬか
)
六合に塩四合を
白水
(
しろみず
)
で
煉
(
ね
)
ってその中へ鰯を漬けて
圧石
(
おし
)
をして二日ばかり過ぎて
後
(
のち
)
糠を洗って酢で食べてもよいし
炙
(
や
)
いてもよし、野菜と一緒に煮てもようございます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
が、五位だけは、まるで外の話が聞えないらしい。恐らく芋粥の二字が、彼のすべての思量を支配してゐるからであらう。前に
雉子
(
きぎす
)
の
炙
(
や
)
いたのがあつても、箸をつけない。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
わざと
襤褸
(
ぼろ
)
を着て、身体を火で
炙
(
や
)
いたりして、自分に苦痛を加えるのを修業と心得る修道派の一派であります。そうすると来世は幸福ばかりを享けるところの天界に生れると考えているのであります。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
器械がなければビフテキのように鍋で
一旦
(
いったん
)
両面を
炙
(
や
)
いてそれから
俎板
(
まないた
)
の上で
極
(
ご
)
く細かに刻みます。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
別に葱の細かく刻んだのや
茗荷
(
みょうが
)
だの
浅草海苔
(
あさくさのり
)
を
炙
(
や
)
いて
揉
(
も
)
んだのと
紅生姜
(
べにしょうが
)
の細かいのだの
紫蘇
(
しそ
)
だのを薬味にして、炊きたての熱い飯へ残らず
打
(
ぶち
)
かけたのだ。よく攪き廻して食べると実に
美味
(
うま
)
いよ。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
炙
漢検1級
部首:⽕
8画
“炙”を含む語句
火炙
膾炙
親炙
炙肉
手炙
炙出
丸炙
冷羮残炙
噲炙
手炙火鉢
炙串
炙所
炙焼
炙物
照炙
鱠炙