“手炙”の読み方と例文
読み方割合
てあぶ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
現に翌年の正月には、年始に来た三男と激論の末、手炙てあぶりを投げつけた事さへあつた。三男はその時帰つたぎり、兄の死に目にも会はずにしまつた。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
お絹は手炙てあぶりに煙草火をいけて、白檀びゃくだんべながら、奥の室の庭向きのところへ座蒲団を直して
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
「小崎さん今日は見えませんでしたね。」と小原は叔母が火を入れて出す手炙てあぶりの側へ、お庄が奥から持って来た座蒲団を敷いて、小綺麗な指頭ゆびさきで両切りの短く切ったのを
足迹 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)