“寝(や)” の例文
旧字:寢
笑い寝(や)むころ馬車は石動に着きぬ。車を下らんとて弁者は席を起(た)てり。甲と乙とは渠に向かいて慇懃(いんぎん)に一揖(いちゆう)して
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
此頃京都に於ては、一旦将軍帰東の沙汰があつて、其事が又寝(や)んだと見える。良子刀自所蔵の柏軒の書牘(しよどく)がある。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
其(そ)の人となり知る可(べ)きなり。敬の密疏は、宗藩(そうはん)を裁抑(さいよく)して、禍根を除かんとなり。されども、帝は敬の疏を受けたまいしのみにて、報じたまわず、事竟(つい)に寝(や)みぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
瑞長の外舅(ぐわいきう)青木と、程安(ていあん)の養父たらむとして寝(や)んだ嵐山(あらしやま)との事は未だ考へない。此年瑞英四十五歳であつた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
「十一月朔日、御前髪被為執候為御祝、金二百疋被成下。十一月三日、征長御出馬御供被仰付、出立す。」毛利家が所謂俗党の言(こと)を用ゐて罪を謝し、此役は中途にして寝(や)んだ。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)