“嵐山”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あらしやま80.0%
らんざん20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人はそれぎり大井を閑却かんきゃくして、嵐山あらしやまの桜はまだ早かろうの、瀬戸内せとうちの汽船は面白かろうのと、春めいた旅の話へ乗り換えてしまった。
路上 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
一、梅にうぐいす、柳に風、時鳥ほととぎすに月、名月に雲、名所には富士、嵐山あらしやま、吉野山、これらの趣向の陳腐なるは何人なんぴともこれを知る。
俳諧大要 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
………午後敏子が誘いに来、嵐山らんざん電車の大宮おおみや終点で木村さんと落ち合い、三人で嵐山あらしやまに行く。これは敏子の発議によるのだそうであるが、まことによいことを思いついてくれた。
(新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「その鼻を廻ると嵐山らんざんどす」と長いさおこべりのうちへし込んだ船頭が云う。鳴るかいに送られて、深いふちすべるように抜け出すと、左右の岩がおのずから開いて、舟は大悲閣だいひかくもとに着いた。
虞美人草 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)