“山嵐”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
さんらん57.1%
やまあらし42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
鳥鳴き、花咲き、潺湲せんかんたる水音みずおとと静かな山嵐さんらん——、そして、機織はたおりの歌とおさの音がどこかにのんびりと聞こえている。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
頭のいただきから、山嵐さんらんをゆする三井寺みいでら大梵鐘だいぼんしょうが、ゴウーン……と余韻よいんを長くひいて湖水のはてへうなりこんでいった。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
赤シャツに勧められてつりに行った帰りから、山嵐やまあらしを疑ぐり出した。無い事を種に下宿を出ろと云われた時は、いよいよ不埒ふらちやつだと思った。
坊っちゃん (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
山嵐やまあらしのような風がにわかに出てきて、離れの二階の簾を時々捲きあげていたが、それもひとしきりであった。
挿話 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)