“潺湲”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
せんかん90.0%
せんくわん10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しくはまた苔の下に咽んでいた清水の滴りが岩間に走り出て、忽ち潺湲せんかんの響を立てながら一道の迅流となって駆け下りて行くように
奥秩父の山旅日記 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
驚くばかり美麗な言葉が——(何といふ深く光沢つやある声であらうか!)潺湲せんかんとして湧き起り、今に終るかと思ふ度に次より次へ展開して
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
冬とは云ひながら、物静に晴れた日で、白けた河原の石の間、潺湲せんくわんたる水のほとりに立枯れてゐるよもぎの葉を、ゆする程の風もない。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そこを下りて噴水のある小さい流れへ出たが、その小流れはつつじの茂りで隠されて了つて、音だけが配石の間から潺湲せんくわんとして聞えた。或ひは少しの音すらないところがあつたりした。
名園の落水 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)