“せんくわん”の漢字の書き方と例文
語句割合
潺湲100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
冬とは云ひながら、物静に晴れた日で、白けた河原の石の間、潺湲せんくわんたる水のほとりに立枯れてゐるよもぎの葉を、ゆする程の風もない。
芋粥 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
そこを下りて噴水のある小さい流れへ出たが、その小流れはつつじの茂りで隠されて了つて、音だけが配石の間から潺湲せんくわんとして聞えた。或ひは少しの音すらないところがあつたりした。
名園の落水 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
で、K達は何の苦もなしに、時には田舎の村落の中を、時にはその背景に大きな山を持つた野の中を、また時には潺湲せんくわんとした渓谷に架つた橋の上を通つて、次第にその山の中へと入つて来た。
浴室 (新字旧仮名) / 田山花袋田山録弥(著)