“せんかん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
潺湲75.0%
船艦5.6%
仙寰2.8%
戦冠2.8%
戦艦2.8%
戰寒2.8%
潺閑2.8%
穿貫2.8%
鑿竿2.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
驚くばかり美麗な言葉が——(何といふ深く光沢つやある声であらうか!)潺湲せんかんとして湧き起り、今に終るかと思ふ度に次より次へ展開して
竹藪の家 (新字旧仮名) / 坂口安吾(著)
わたくしむねをどらしつゝその船躰せんたい熟視じゆくししたが、あゝ、くも不思議ふしぎなる、くも強堅きようけんなる、船艦せんかんがまたとあらうか、わたくしその外形ぐわいけい一見いつけんしたばかりで、じつその船形せんけい巧妙こうめう不思議ふしぎなるにおどろいたが
殊に当節は葭簀よしずの囲いさえ結われたが、江戸ッ児は男も女もさわぐのが面白く、葭簀を境いにキャッキャッとの騒ぎ、街衢をはなれたこの小仙寰せんかんには遠慮も会釈もあったものではない。
残されたる江戸 (新字新仮名) / 柴田流星(著)
ただ、途中、林のわかみちで、一個のかぶとを拾った。黄金こがね作りの美々しいもので、まぎれもなく敵の大都督の戦冠せんかんである。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
むかしは、戦艦せんかん勇壮ゆうそう』の兵曹長へいそうちょうをいたしておりましたが、退役になりましてからは、提督教会ていとくきょうかい堂守どうもりをしておりました。
われく、むかし呉道子ごだうし地獄變相ぢごくへんさうつくる。成都せいとひと一度ひとたびこれるやこと/″\戰寒せんかんしてつみおそれ、ふくしうせざるなく、ために牛肉ぎうにくれず、うをかわく。
聞きたるまゝ (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
梢上に囀づる小鳥の声も、渓谷を下る潺閑せんかんたる流も、山端に吹く松風の音も、浜辺に寄する女波男波のさゝやきも、即ち是れ地のオーケストラの一部奏に過ぎない。地は偉大なる芸術者である。
土民生活 (新字旧仮名) / 石川三四郎(著)
此河原は周囲を峻しい山々に取り巻かれた峡谷の中としては、思の外に打ち開けた処で、劒沢は南のはずれを一段深く穿貫せんかんしているから、あたかも河成段丘のような観がある。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
自分で櫓へ上って、がちゃがちゃと、居ても立ってもいられないと云うようにして鑿竿せんかんを動かしたりした。
黒い地帯 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)