“冷遇”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
れいぐう30.0%
ふり10.0%
ふッ10.0%
いやが10.0%
され10.0%
ふら10.0%
ぶあしらひ10.0%
わる10.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
一行は冷遇れいぐうかこった。第一、柴田家からの沢山な音物いんもつにたいしても、目録を収めたきりで挨拶もない。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
冷遇ふりながら産を破らせ家をも失わしめたかと思うと、吉里は空恐ろしくなッて、全身みうちの血が冷え渡ッたようで、しかも動悸どうきのみ高くしている。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
吉里も善吉を冷遇ふッてはいた。しかし、憎むべきところのない男である。善吉が吉里を慕う情の深かッただけ、平田という男のあッたためにうるさかッたのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「どうして善さんを吉里さんは情夫いいひとにしたんだろうね。最初は、気の毒になるほど冷遇いやがッてたじゃアないかね」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「本統にそうおしよ。あんまり放擲うッちゃッといちゃアよくないよ。善さんも気の毒な人さ。こんなに冷遇されても厭な顔もしないで、毎晩のように来ておいでなんだから、怒らせないくらいにゃしておやりよ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
金に動く新造しんぞのお熊が、善吉のために多少吉里の意に逆らッたのは、吉里をして心よりもなお強く善吉を冷遇ふらしめたのである。何だか知らぬけれども、いやでならなかッたのである。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
但しそのあまり色美いろよきが、又さるきはには相応ふさはしからずも覚えて、こはつひに一題のうるはしなぞを彼に与ふるに過ぎざりき。鴫沢の翁は貫一の冷遇ぶあしらひいきどほるをも忘れて、このなぞの為に苦められつつ病院を辞し去れり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
善吉も今日ッきり来ないものであると聞いては、これほど実情じつのある人を、何であんなに冷遇わるくしたろう、実に悪いことをしたと、大罪を犯したような気がする。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)