トップ
>
演
>
や
ふりがな文庫
“
演
(
や
)” の例文
宛然
(
さながら
)
、ヒマラヤ山あたりの深い深い萬仭の谷の底で、
巖
(
いはほ
)
と共に年を
老
(
と
)
つた猿共が、千年に一度
演
(
や
)
る芝居でも行つて見て居る樣な心地。
葬列
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
ただその一つさえ祭の太鼓は
賑
(
にぎわ
)
うべき処に、
繁昌
(
はんじょう
)
が
合奏
(
オオケストラ
)
を
演
(
や
)
るのであるから、鉦は鳴す、笛は吹く、続いて踊らずにはいられない。
怨霊借用
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それからもう一つは、そう云う
離業
(
はなれわざ
)
を
演
(
や
)
って
退
(
の
)
けられる
膂力
(
りょりょく
)
と習練を備えた人物が、現在この事件の登場人物のうちにあるからだ。
聖アレキセイ寺院の惨劇
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
とどの
詰
(
つま
)
り私は、そんな事ばかりを繰返し繰返し
演
(
や
)
っている、つまらない夢遊病患者みたような者ではあるまいか……とも考えられる。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
舞台でいっぱいに
演
(
や
)
ってますね、そんなとき、ふいと、こんなに一生懸命にやっている芸にどこまで価値があるんだって気がするんです
道標
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
▼ もっと見る
どんな事を
演
(
や
)
る積ですか、
行
(
い
)
つて御覧なすつたら
何
(
ど
)
うです。
支那人
(
ちやん
)
てえ
奴
(
やつ
)
は、臆面がないから、
何
(
なん
)
でも
遣
(
や
)
る気だから呑気なもんだ。……
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
今
浪花
(
なには
)
座で『忠臣蔵』を
演
(
や
)
つてゐる鴈治郎なども、お
軽
(
かる
)
の
道行
(
みちゆき
)
のやうな
濡事
(
ぬれごと
)
を実地
行
(
や
)
る
閑
(
ひま
)
があつたら一度青蓮寺に
参詣
(
まゐ
)
つたがよからう。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
彼等が
演
(
や
)
る通りな格恰で節をつけて発声したのであつたから、彼等が早合点してお世辞のために悦び迎へたのは当然なのである。
歌へる日まで
(新字旧仮名)
/
牧野信一
(著)
「今じゃ、そう云う
演
(
や
)
り方を、写実主義と云うのです。そう云う役者を
見出
(
みいだ
)
したお祖母さんは、さすがにお目が高かったですね」
ある恋の話
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
その頃みのるがある劇團に入つて何か
演
(
や
)
つた時に一向噂のなかつたところから考へても、舞臺の上の技巧はあんまり無さそうに思はれた。
木乃伊の口紅
(旧字旧仮名)
/
田村俊子
(著)
「やれやれ、狂言舞も、見てこそ、おかしいが、おのれが舞台で
演
(
や
)
ってみると、おかしいどころかよ、くるしいものぞ。イヤ、なかなか」
新書太閤記:11 第十一分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「もう直ぐ出て来るから、うまく
演
(
や
)
れよ」と、こっちから黄色い外套の同志が
稍
(
やや
)
震
(
ふる
)
え声で云った。興奮に
慄
(
ふる
)
えているのだった。
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
静
(
しい
)
ちゃん、あすこの引抜きを、今日は
巧
(
うま
)
くやっておくれ。引きぬきなんざ、一度覚えればコツはおんなじだ。自分が
演
(
や
)
るときもそうだよ。」
市川九女八
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「だから——だからいうんだ、あたしァ。——芸だって、
演
(
や
)
る
脚本
(
ほん
)
だって、むかしァだれより新しいといわれた人なんだ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
演
(
や
)
るにも演り
可
(
い
)
いってものだ。どうだい親方そのついでに一両がとこ貸してくれないか。アッハハハこいつア嘘だ! さて
柳営秘録かつえ蔵
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
というのも、
演
(
や
)
るのが自分じゃなくて、あのニーナさんだからなんです。僕の脚本も見ない先から、眼の
敵
(
かたき
)
にしてるんだ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
二番目が八犬伝の
赤岩一角
(
あかいわいっかく
)
の猫退治で二幕、それから
桂川連理柵
(
かつらがわれんりのしがらみ
)
の帯屋から桂川の心中までを
演
(
や
)
った。打出してから帰ると、もう夜半であった。
鳴雪自叙伝
(新字新仮名)
/
内藤鳴雪
(著)
処が、その何年か後に、僕達が相当の俳優になるのはよろしいが、その僕等が
演
(
や
)
りたいやうな脚本を、先生たちは書いて下さる自信がおありなんですか
幕は開かない
(新字旧仮名)
/
岸田国士
(著)
演
(
や
)
りにペテルスブルグへいらっしゃるんですって。デュウゼとかって名前でしたよ。ご存じでいらっしゃいますか。
エレオノラ・デュウゼ
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
そこへ余輩の「高野の義人」に眼をつけたのが高田実であった、何かのはずみに社中の伊原青々園氏に向ってこれを
演
(
や
)
りたいものだと高田が云い出した
生前身後の事
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
何を
演
(
や
)
つてゐても如何にも小心な他人の気持ばかりを
覗
(
うかが
)
つてゐるやうな
佞奸邪智
(
ねいかんじゃち
)
と云つた感じを強く与へます。
サニンの態度
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
一体源之助という役者は上方で
為込
(
しこ
)
んで来た芸を
演
(
や
)
ると非常によく、また正確である。であるから大阪で源之助がもう少し
揉
(
も
)
まれて来ればよかったと思う。
役者の一生
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
もしやさっきのお此の二の舞をここで
演
(
や
)
るつもりではあるまいかと、彼女は少しいざり出てお絹の楯になった。
両国の秋
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
世にも水際立った人情噺を一席
演
(
や
)
ったので、楽屋で聴いていて感に堪えた一前座はにわかに講釈がいやになってピシーリと張扇を折り、柳桜門下にはせ参じた。
随筆 寄席囃子
(新字新仮名)
/
正岡容
(著)
如何
(
どう
)
かしてうまく
演
(
や
)
つてくれればいい、新しい役者の新しい芝居も決して愚劣なものではないと思ひ知らせてくれればいいと、自分は
他人事
(
ひとごと
)
でない氣で心配した。
貝殻追放:012 向不見の強味
(旧字旧仮名)
/
水上滝太郎
(著)
「涌井君。君は昨日北沢家へ調べに行った時、福間警部に北沢がどんな風に死んだかを
演
(
や
)
って見せたね」
闘争
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
『鉱毒は田中の政略さ』と嘲つた人々は、失張此の直訴までも、『芝居を
演
(
や
)
つたナ』と冷笑して居た。
大野人
(新字旧仮名)
/
木下尚江
(著)
だが相手は高田実が中将を
演
(
や
)
つて居るので、高田なら此の位の
間
(
ま
)
だと考へて初日から二三日演つて見た、それは博士の
台詞
(
せりふ
)
が切れるとこから計つて見当をつけるのだが
癖
(新字旧仮名)
/
喜多村緑郎
(著)
なにかにつけて源之助の
仮声
(
こわいろ
)
ぶりを
演
(
や
)
るその調子が、お庄の耳には
舐
(
な
)
めつかれるようであった。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
それをお
演
(
や
)
りになられる金剛先生のお姿は全く神技と言っていいくらいご立派なものでした。
謡曲と画題
(新字新仮名)
/
上村松園
(著)
もう三番ほど能役の
演
(
や
)
るのを見るのは見たけれども、言葉もしぐさもよくわからず、物語の筋もはっきりしないから少しも面白くないのである。——またあの眼が見ている。
合歓木の蔭
(新字新仮名)
/
山本周五郎
(著)
而
(
そ
)
して何と云つても、虎を
演
(
や
)
れる役者は、日本中に俺しかないのだ。さうだ。一つ虎をうまくやつて見物をわつと云はしてやらう。そして外の役者どもを蹴とばしてやらう。
虎
(新字旧仮名)
/
久米正雄
(著)
エー
若春
(
わかはる
)
の事で、
却
(
かへ
)
つて
可笑
(
をかし
)
みの
落話
(
おとしばなし
)
の
方
(
はう
)
が
宜
(
い
)
いと
心得
(
こゝろえ
)
まして一
席
(
せき
)
伺
(
うかゞ
)
ひますが、
私
(
わたくし
)
は誠に
開化
(
かいくわ
)
の事に
疎
(
うと
)
く、
旧弊
(
きゆうへい
)
の事ばかり
演
(
や
)
つて
居
(
を
)
りますと、
或
(
あ
)
る
学校
(
がつかう
)
の
教員
(
けうゐん
)
さんがお
出
(
い
)
でで
西洋の丁稚
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
十八番の所作ごとを
演
(
や
)
って見て下さいと頼んだら、否やをおっしゃるでしょうかねえ? でも、鳴物もうたもないから、いけないというかしら——じゃあ、あたしの足の指に
雪之丞変化
(新字新仮名)
/
三上於菟吉
(著)
〆団治は黒い顔じゅう汗を流して、
演
(
や
)
ったが、君枝はシュンとして、笑わなかった。
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
デナイト得意ノシンクロナイズド・スウィミングガ
演
(
や
)
リニクイ。一人デソレヲ演ッテ見セテ己ニ見セタイッテ云ウンダヨ。己ニソレヲ見セルノガ目的デプールヲ作ルヨウナモノナンダ
瘋癲老人日記
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
そしてメァリー・イングラムは、相手の
慇懃
(
いんぎん
)
な話を
懶
(
ものう
)
げに聞いてゐた。時々、みんな云ひ合はしたやうに彼等のワキ狂言を止して主役の
演
(
や
)
ることを、觀たり聽いたりするのであつた。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
だぶちんの真似事は何でも
演
(
や
)
ってみんなを笑わせ、自分も笑うことを愉しんだ。
我が愛する詩人の伝記
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
シェークスピアの『アントニーとクレオパトラ』の英語劇を
演
(
や
)
ったとき、わたしはクレオパトラを演じまして全校を悩殺したことがあるんだから、そういうほうには少々心得があるのです。
犂氏の友情
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
露西亞馬鹿『フィラートカ』を
演
(
や
)
つてゐた。可笑しくて腹の皮を撚つた。
狂人日記
(旧字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
「ええ、ありがとう、奥さんもいま一緒に何か
演
(
や
)
っているんですか?」
新版 放浪記
(新字新仮名)
/
林芙美子
(著)
ゴーリキーの『母』という小説がありますが、あれを
築地
(
つきじ
)
で
演
(
や
)
ったことがあります。
山本安英
(
やまもとやすえ
)
が母になって非常によく演りました。これはプロレタリア・イデオロギーの立場からみたのであります。
生活と一枚の宗教
(新字新仮名)
/
倉田百三
(著)
宛然
(
さながら
)
、ヒマラヤ
山
(
さん
)
あたりの深い深い万仭の谷の底で、
巌
(
いはほ
)
と共に年を
老
(
と
)
つた猿共が、千年に一度
演
(
や
)
る芝居でも行つて見て居る様な心地。
葬列
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
今の徳三郎がお初を
演
(
や
)
るとしたら、どんな事になるだらう、
恋女
(
こひをんな
)
を焦れ死させる代りに、事によつたら劇評家を気絶させるかも知れない。
茶話:04 大正七(一九一八)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
「何を
演
(
や
)
っているか知らんが……アッ。そうそう。大森署へ切符を置いて行きおったっけ……新四谷怪談とか云っていたが……」
二重心臓
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
しかし今横に並んで歩いている西郷副園長が、この万年筆について不審な行動を
演
(
や
)
っているのにも気がつかないわけではない。
爬虫館事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それから、浴衣に引き抜いて、与茂七のだんまりを
演
(
や
)
ったが、その時闇の中で、それは鮮やかに、逢痴の声色を使ったのだよ。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
先生
今日
(
けふ
)
は
一日
(
いちにち
)
御勉強ですな。どうです、
些
(
ち
)
と御散歩になりませんか。
今夜
(
こんや
)
は
寅毘沙
(
とらびしや
)
ですぜ。演芸館で
支那人
(
ちやん
)
の留学生が芝居を
演
(
や
)
つてます。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
『桐一葉』に依って且元が忠臣らしく、伝えられるなど、甚だ心外だが、今に歌右衛門でも死ねば、誰も
演
(
や
)
るものがないからいいようなものの。
真田幸村
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
……あの子はわたしたちに、戯曲の作り方や
演
(
や
)
り方を、教えてくれる気だったんだわ。早い話が、ま、うんざりしますよ。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
演
常用漢字
小5
部首:⽔
14画
“演”を含む語句
演劇
演習
演戯
演出
演題
卓上演説
演説
演舌
演技
演奏
演者
演奏会
講演
釈宗演
上演脚本
演繹
演繹的
演芸
出演
口演
...