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輟
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や
ふりがな文庫
“
輟
(
や
)” の例文
木村に言ったわけでもないらしいが、犬塚の顔が差し当り木村の方に向いているので、木村は箸を
輟
(
や
)
めて、「無政府主義者ですか」と云った。
食堂
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
而るを誰と
以
(
とも
)
にか之を
易
(
か
)
えん。且つ
而
(
なんじ
)
その人を
辟
(
さ
)
くるの士に従わんより、豈に世を
辟
(
さ
)
くるの士に従うに若かんやと。
耰
(
ゆう
)
して
輟
(
や
)
まず。子路行きて以て告ぐ。
論語物語
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
古老
(
こらう
)
は
眉
(
まゆ
)
を
顰
(
ひそ
)
め、
壯者
(
さうしや
)
は
腕
(
うで
)
を
扼
(
やく
)
し、
嗚呼
(
あゝ
)
、
兒等
(
こら
)
不祥
(
ふしやう
)
なり。
輟
(
や
)
めよ、
輟
(
や
)
めよ、
何
(
なん
)
ぞ
君
(
きみ
)
が
代
(
よ
)
を
細石
(
さゞれいし
)
に
壽
(
ことぶ
)
かざる!
蛇くひ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大異はもう食事するのを
輟
(
や
)
めていた。不思議な鴉の容子を見ていた大異の眼は、すぐ左の方の鴉の群の廻っている所に、四つばかり干からびた死骸のあるのを見つけた。
太虚司法伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「お
前
(
めえ
)
は酔っている
様
(
よう
)
だ。早く帰らッせえよ。」と、七兵衛は
箒
(
ほうき
)
を
輟
(
や
)
めて
顧
(
みかえ
)
った。
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
弟子達の
困憊
(
こんぱい
)
と
恐惶
(
きょうこう
)
との間に在って孔子は独り気力少しも
衰
(
おとろ
)
えず、平生通り絃歌して
輟
(
や
)
まない。従者等の
疲憊
(
ひはい
)
を見るに見かねた子路が、いささか色を
作
(
な
)
して、絃歌する孔子の
側
(
そば
)
に行った。
弟子
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
而
(
しこう
)
して礼を
尚
(
たっと
)
び学を重んじ、百
忙
(
ぼう
)
の
中
(
うち
)
、手に書を
輟
(
や
)
めず、孔子の
教
(
おしえ
)
を篤信し、
子
(
し
)
は誠に万世の師なりと称して、衷心より之を尊び仰ぎ、施政の大綱、必ず
此
(
これ
)
に依拠し、又
蚤歳
(
そうさい
)
にして仏理に通じ
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いけ年を
仕
(
つかまつっ
)
てもとかく人
真似
(
まね
)
は
輟
(
や
)
められぬもの、
況
(
まし
)
てや小供という
中
(
うち
)
にもお勢は
根生
(
ねおい
)
の
軽躁者
(
おいそれもの
)
なれば
尚更
(
なおさら
)
、
倐忽
(
たちまち
)
その娘に
薫陶
(
かぶ
)
れて、
起居挙動
(
たちいふるまい
)
から物の言いざままでそれに似せ、急に
三味線
(
しゃみせん
)
を
擲却
(
ほうりだ
)
して
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
歌聲
輟
(
や
)
むも束の間、おもへばげに
独絃哀歌
(旧字旧仮名)
/
蒲原有明
(著)
歌の声は消えるように
輟
(
や
)
んだ。趙は夢の覚めたようにして愛卿の側へ往った。
愛卿伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
それは生まれ落ちるときから
輟
(
や
)
めずに泣いているものであった。
愛卿伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
輟
漢検1級
部首:⾞
15画
“輟”を含む語句
輟耕録
輟朝