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疚
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や
ふりがな文庫
“
疚
(
や
)” の例文
今までにどこか罪な想像を
逞
(
たく
)
ましくしたという
疚
(
や
)
ましさもあり、また
面
(
めん
)
と向ってすぐとは云い
悪
(
にく
)
い皮肉な
覘
(
ねらい
)
を付けた自覚もあるので
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たとへば我が
良人
(
をつと
)
、今
此処
(
こゝ
)
に戻らせ給ふとも、我れは恥かしさに
面
(
おもて
)
あかみて
此膝
(
これ
)
なる
文
(
ふみ
)
を
取
(
とり
)
かくすべきか。恥づるは心の
疚
(
や
)
ましければなり、何かは隠くさん。
軒もる月
(新字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
されども渠はいささかも心に
疚
(
や
)
ましきことなかりけむ、胸苦しき
気振
(
けぶり
)
もなく、
静
(
しずか
)
に海野に打向いて
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
お前の行いが
疚
(
や
)
ましくなると「人の義とせらるるは信仰によりて、律法の行いに依らず」
惜みなく愛は奪う
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
学問上の研究の領分に属すべき事柄である。少しも
疚
(
や
)
ましい事はないと思い返した。どんな事でも思い返すと相当のジャスチフィケーションはある者だ。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
されども渠は
聊
(
いささか
)
も心に
疚
(
や
)
ましきことなかりけむ、
胸苦
(
むねぐる
)
しき
気振
(
けぶり
)
もなく、静に海野に
打向
(
うちむか
)
ひて
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
僕はこういう市蔵を仕立て上げた責任者として親類のものから
暗
(
あん
)
に
恨
(
うら
)
まれているが、僕自身もその点については
疚
(
や
)
ましいところが大いにあるのだから仕方がない。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
悪
(
にく
)
むべき感謝状を、かういつた上でも、裂いて棄てんか。やつぱり
疚
(
や
)
ましいことはないが、
些少
(
ちょっと
)
も良心が
咎
(
とが
)
めないか、それが聞きたい。ぬらくらの返事をしちやあ
不可
(
いかん
)
ぞ。
海城発電
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
悉
(
ことごと
)
く材料を第一の
源
(
みなもと
)
から拾い集めて大成したもので、
儲
(
もう
)
からない保証があると同時に、学者の良心に対して
毫
(
ごう
)
も
疚
(
や
)
ましからぬ徳義的な著作であるのはいうまでもない。
博士問題とマードック先生と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
その
悪
(
にく
)
むべき感謝状を、こういった上でも、裂いて棄てんか。やっぱり
疚
(
や
)
ましいことはないが、ちょっとも良心が
咎
(
とが
)
めないか、それが聞きたい。ぬらくらの返事をしちゃあ
不可
(
いかん
)
ぞ。
海城発電
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
心
疚
(
や
)
ましきは願わず。疚ましき中に蜜あるはうれし。疚ましければこそ蜜をも
醸
(
かも
)
せと思う折さえあれば、卓を共にする騎士の我を疑うこの日に至るまで王妃を
棄
(
す
)
てず。
薤露行
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
すべてお秀が
背負
(
しょ
)
って立たなければならないという意味であった。したがってお延の心は存外平静であった。少くとも、良心に対して
疚
(
や
)
ましい点は容易に
見出
(
みい
)
だされなかった。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
疚
漢検1級
部首:⽧
8画
“疚”を含む語句
疚痛
疚痛惨怛