“襲(や)” の例文
もう何うしたって、襲(や)って来るしかないものと、避けられないものとの衝突だ。受け身だけに、此っ方の栄(はえ)ない事は夥(おびただ)しい。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
例の、闘鶏師(とりし)仲間の者が、腹癒(はらい)せに、その後、藩邸にまで襲(や)って来たので、問題は、家老の耳にも、主君にも、家中全体に知れ渡ってしまった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
道真の死を、怨霊とふるえ上がったくせに、まだ、性コリもなく、政権にしがみついている。こんどは、何が襲(や)ってくるか分らん。わしには分るな。
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あの経世的な緻密の頭が、事変の推移をどう眺(なが)めているか、大なり小なり、その反動が襲(や)って来るに違いない事は、一学にも当然に考えられるからだ。
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
十万の元兵、数百の艨艟(もうどう)、すべてを日本に失ってから、さすがに懲々(こりごり)したか、その後は襲(や)って来なくなった。
新書太閤記:06 第六分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「知らねえのかい、お客さん。ここらはもう名うてな梁山泊に近いので、いつなんどき、やつらが襲(や)って来ないとも限らないから、その要心に備えてあるのさ」
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
大天災でも襲(や)ってくる前のようにむしむしとした空気である。しかし、戦争が、わかっていたところで、露八は、圏外の人間だし、どういう考えも無論なかった。
松のや露八 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
こんどは朝廷へ襲(や)ってくるな、とはや、観念されたように、献帝は眼をふさいだまま
三国志:03 群星の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「たわけめが、探している間に敵が襲(や)って来るわ。そのためにうろついていたのか」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そういうものの恐(こわ)さに善処することは、武蔵よりも細心で、よく知っている伊織は、ゆうべの暴(あ)れが襲(や)って来る前に、屋根へ登って、竹の押しぶちを結びつけたり、石を乗せたりしておいたが
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがどんな怨霊かは分らないが、襲(や)ッてくることだけはたしかだよ
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
待つとは——いうまでもなく、叡山の者の報復(しかえし)である。あのまま黙っている山門の大衆(だいしゅ)ではない。あれから数日、音沙汰(おとさた)のないのは、むしろ大挙して襲(や)ってくる険悪な雲の相(すがた)を思わせるものがある。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「先生、こんどは、ほんものが襲(や)ってきたよ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
みると、隠岐ノ判官以下、糟谷(かすや)、小鴨(おがも)、赤崎らの手勢、それぞれは烈しく襲(や)って来るが、みな功名の争いに急で結束のつよさはない。……それに日々、山上のお味方は増しているし、一人の能登ノ介などに騒ぐには当らぬよ
私本太平記:06 八荒帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「やがて、野猪(のじし)のように、襲(や)って来ようぞ」
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「戦争が襲(や)って来るんだよ、戦争が」
新書太閤記:03 第三分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
『あっ! ……襲(や)って来たっ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)