)” の例文
っと二十号まで出した頃、極堂氏が、せめて三百部売れるなら収支が償って継続されるが、それだけ売れぬから、もう廃刊するといって来た。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
「私は澤山です。あなたのがなくなりますから。」と冷吉は、もじ/\する心持を押へるやうにしてつとさう言つた。
赤い鳥 (旧字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
それであるからして、紛乱した網をっと跳ね退けたかと思うと、眼前の壁はすでに雲を貫いている。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
っと半分起き上って、前へ踏み出そうとしたが足に少しも力が無く、直ちにドシンと倒れて了った、倒れる拍子に、初めて「ウーン」と云う呻きの声が口から洩れたが
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
それに生れてっと五月ばかしの赤子さんを、懐裏ふところに確と抱締めて御居でなのでした。
昇降場 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
須貝 はあ、なるほど、っとわかった。
華々しき一族 (新字新仮名) / 森本薫(著)
「こりゃ酷い!」法水がっと出たような声で
夢殿殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)