)” の例文
李公は大いに怒って、すぐにかの女をくくりあげ、薪を積んで生きながらいてしまった。その以来、都に驚風を病む小児が絶えた。
州の諸侯をはじめ、郡県市部のおさや官吏は、逃げ散るもあり、くだって賊となるもあり、かばねを積んで、き殺された者も数知れなかった。
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ナマヌル魂の木村父子はりょの文に所謂いわゆる鳥其巣をかれた旅烏、バカアバカアと自ら鳴くよりほか無くて、何共なんともせん方ないから
蒲生氏郷 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
まへのは砲兵工廠はうへいこうしやうけたときで、つゞいて、日本橋にほんばし本町ほんちやうのきつらねた藥問屋くすりどひやくすりぐらが破裂はれつしたとつたのは、五六日ごろくにちぎてのこと
露宿 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
跣足はだしで市街をひきまわされ、最後に聖壇の前に立って死刑を宣告され、刑吏の手によって生きながらき殺されるのであった。
落穴と振子 (新字新仮名) / エドガー・アラン・ポー(著)
あゝ、先輩の胸中に燃える火は、世を焼くよりもさきに、自分の身体をき尽してしまふのであらう。斯ういふ同情おもひやり一時いつときも丑松の胸を離れない。
破戒 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
「十一日。晴。午刻より中野村行。広江氏不快に付て也。一宿。途中津軽坂聴子規ほとゝぎすをきく。」是日武揚等は遂に自ら諸艦をいた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
久しく頭をした後虚空こくうに昇り、自分で火を出し身をいて遺骸地に堕ちたのを、王が収めてこの塔を立てたと見ゆ。
こんな風に詠まずとも、霞の上に藻汐く煙のなびく由尋常に詠まば、つまらぬまでもかかる厭味いやみは出来申間敷候。
歌よみに与ふる書 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
また晏平仲あんぺいちゅうの言に曰く、「既死豈在我哉、焚之亦可、沈之亦可。」(すでに死す、あにわれにあらんや。これをくもまた可、これを沈むるもまた可)
迷信と宗教 (新字新仮名) / 井上円了(著)
彼がみずから処するまたかくの如きのみ、彼は弾丸の如し、ただ直進するのみ。彼は火薬の如し、みずからいてしこうして物を焚く。彼はつねに身を以て物に先んず。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
互をがしたほのおは、自然と変色して黒くなっていた。二人の生活はかようにして暗い中に沈んでいた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
日記もいた。手紙も焚いた。かうした一人の女性が曾てこの世の中にゐたことをすら知られないやうにして死ぬことを望んだ。この心、この心は悲しいではないか。
小翠は笑ってその画をいた。元豊はそれを焚かすまいとしたが、もうあらあらと燃えてしまった。
小翠 (新字新仮名) / 蒲 松齢(著)
そして前の災は四回に彼に臨んだ。その第一回にはシバ人のために牛と牝驢馬めろばが奪われ、少者わかものが殺された。第二回には「神の火天よりくだりて羊及び少者をきて滅ぼ」
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
かの人をしてはほのほに入り、一たびは烟となれど、又「フヨニツクス」(自らけて後、再び灰より生るゝ怪鳥)の如く生れ出でゝ、毒を吐き人をやぶるといふ蛇のはりをば
もし木立こだちは、そのけむりが、自分じぶんたちのしかばねけむりであったとったら、どんなにおどろいたことでしょう。やがて、夕日ゆうひしずんでくらくなると、燈火あかりがちらちらときらめきはじめました。
縛られたあひる (新字新仮名) / 小川未明(著)
人は土中から掘り出された白い女悪魔の裸体を見て、地獄の火にかるべき罪の怖れに戦慄せんりつしながらも、その輝ける美しさから眼を離すことができないという時代であった。
古寺巡礼 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
胸に燃ゆる情のほのほは、他を燒かざれば其身をかん、まゝならぬ戀路こひぢに世をかこちて、秋ならぬ風に散りゆく露の命葉いのちば、或は墨染すみぞめころも有漏うろの身をつゝむ、さては淵川ふちかはに身を棄つる
滝口入道 (旧字旧仮名) / 高山樗牛(著)
「……行われております。遺憾なく昔の通りに行われております。否。き殺す以上の残虐が、世界中、到る処の精神病院で、堂々と行われているので御座います。今日只今でも……」
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
吝嗇りんしょくな男が自分の宝と置き換えられた石をながめている時でも、詩人がたましいをこめた、ただひとつの原稿を何かのために火にこうとしている時でも、この時における彼女ほどには
城址の桑の木に住んでおる蛇をき殺します、それを、もう、蛇が知って、毎晩泣いております、どうか蛇も殺されず、私達の子や孫も殺されないようにしてくだされ、と云うと、王様が
放生津物語 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
この人格発展の可能を信じその実現に努力することに由って、現状を打破しつつ併せて未来を招き寄せつつ、文化主義の生活の中に幾度も幾度も自己を自らき、自ら新生したいと思います。
婦人指導者への抗議 (新字新仮名) / 与謝野晶子(著)
交戦諸強は互いに利害の打算を外にして蹶起けっきしたのであるが、なかんずく、独逸ドイツの如きはルクセンブルグの中立を無視し、ベルギーの中立を無視し、非戦闘員を殺戮し、武装せざる都会を
文明史上の一新紀元 (新字新仮名) / 大隈重信(著)
心配するなッ、犢鼻褌ふんどしいたッても、お前方を殺すことじゃあねえぞ。
白峰山脈縦断記 (新字新仮名) / 小島烏水(著)
よし送り送りて千束ちつかにも余れ、手に取るからのけむぞとあなどれる貫一も、かつて宮には無かりし執着のかばかりなるを謂知いひしらずあやしみつつ、今日のみはすぐにもかざりしその文を、一度ひとたびひらき見んと為たり。
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
文字に書きたる信条の謂にあらざる也。ソクラテスは彼れの信条の為めに亜典アテネの獄中に死せり。パウロは彼の信条の為めに羅馬に死せり。許多の殉教者は其信条の為めに石にて打たれ、火にてかれたり。
信仰個条なかるべからず (新字旧仮名) / 山路愛山(著)
保雄はいて仕舞はうと言つた事もあつたが、美奈子は良人をつとと自分との若い血汐もたましひも元気も皆これこもつてあると思つて、如何に二人が貧苦に痩せ衰へても、又如何に二人が襤褸ぼろげて生活くらしても
執達吏 (新字旧仮名) / 与謝野寛(著)
素直にしかし敢然と屈しなかったこの神がかりの少女が、ついに火刑の煙にかれながら、「私の言葉は神の声である」と主張し通してかれて行く場面や、ジャンヌについて何も知らないながらに
縮図 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
ナチスは書をきにけりかはづ聽くこの夜深よぶかにしひびかふものあり
白南風 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
少年の情緒は赤く木の間を
雲はけ、草はしぼみ、水はれ、人はあえぐ時、一座の劇は宛然さながら褥熱じょくねつに対する氷の如く、十万の市民に、一ざい、清涼の気をもたらして剰余あまりあつた。
伯爵の釵 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
約束の時刻に酒を供えて、かの紙銭をくと、きのうの二人があらわれてその銭を持って行くのを見た。それから三日の後に、和子は死んだ。
こんな風に詠まずとも、霞の上に藻汐く煙のなびくよし尋常に詠まばつまらぬまでもかかる厭味いやみは出来申間敷もうすまじく候。
歌よみに与ふる書 (新字新仮名) / 正岡子規(著)
是を是とし、非を非として、かの憎惡の筆鋒ひつぽうを避けず。玉石を併せかばこそ、崑山の火をも嫌はめ。淘汰して玉を存ずる批評の道は必ずしも無益ならじ。
柵草紙の山房論文 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
このつき燕王指揮しき李遠りえんをして軽騎六千を率いて徐沛じょはいいたり、南軍の資糧をかしむ。李遠、丘福きゅうふく薛禄せつろくと策応して、く功をおさめ、糧船数万そう、糧数百万をく。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
そして玄徳がいくら訊ねても、肉体に病はないが、心の病はいまや胸をくようです。としか答えなかった。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
たがひがしたほのほは、自然しぜん變色へんしよくしてくろくなつてゐた。二人ふたり生活せいくわつ斯樣かやうにしてくらなかしづんでゐた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
荘子そうじ』に曰く、「至人しじんしんなり。大沢だいたくくるもくあたわず。河漢かかんこおれどもこごえしむるあたわず」と。また曰く、「死生しせいはまた大なり。しかるにこれと変ずるを得ず」
通俗講義 霊魂不滅論 (新字新仮名) / 井上円了(著)
妾が血をいて熱をなすものは何ぞ。妾を病ましむるものは何ぞ。妾はめて何をか思へる。妾はいねて何をか夢みたる。おん身の愛憐のみ。おん身の接吻のみ。アントニオよ。
その所有物もちものは地に蔓延ひろがらず……邪曲よこしまなる者の宗族やから零落おちぶれ、賄賂まいないの家は火にけん
ヨブ記講演 (新字新仮名) / 内村鑑三(著)
うまやけたり。子、ちょうより退き、人をそこなえるかとのみいいて、馬を問いたまわず。
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
精神病者を魔者にかれたものとして、片端かたっぱしからき殺している光景を描きあらわしたもので、中央にりまする、赤頭巾に黒外套の老婆が、その頃の医師、兼祈祷師、兼卜筮者うらないしゃであった巫女婆みこばばあです。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
ナチスは書をきにけりかはづ聴くこの夜深よぶかにしひびかふものあり
白南風 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
さればかわらかまどの、むねよりも高いのがあり、ぬしの知れぬみやもあり、無縁になった墓地もあり、しきりに落ちる椿つばきもあり、田にはおおきどじょうもある。
春昼 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大勢はさらに刃物でそれをずたずたに切って、柴の火へ投げ込んでいてしまいましたが、そのいやな臭いはひと月ほども消えなかったそうです。
こゝに事実明らかになりしかば、建文帝を迎えて西内せいだいに入れたてまつる。程済ていせいこの事を聞きて、今日こんにち臣が事終りぬとて、雲南に帰りてあんき、同志の徒を散じぬ。
運命 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
初さんの隣りがちょうどんでこれは昨日きのう火事でき出されたかのごとく愁然しゅうぜん算盤そろばんに身をもたしている。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
人妻たるはなほ忍ぶべしである。何故なぜ Denovalin のやうな、意地の悪い恋の敵が出て来て、二人を陥しいれねばならぬか。二人をき殺す筈のたきぎの火は神の息に消える。
魔睡 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
はゞかりあることには侍れど、おん身にも總て過失なしとはいひ難くや侍らん。例之たとへばおん身は、いかなれば一時怒に任せて、彼美しき詩をき給ひし。われ。そは世に殘すべき價なければなり。