“喰(や)” の例文
「なに、構わんです」、と仕方が無いから、皮ぐるみムシャムシャ喰(や)りながら、「何は……何処へ入(い)らしッたンです?」
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
『あに、炉部屋(ろべや)へ置いてくらっせ、そっちへ喰べにゆくでの。おっ母も、客人と一緒に喰(や)らんせ。ちっとも、気がねは要らんおらの友達じゃげな』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と熱の無い口氣(こうき)で謂ツて、もう冷たくなツた燒肉(ビフテキ)を頬張るのは、風早(かざはや)といふ學士で。彼は今晝餐(ひるげ)を喰(や)ツてゐるので、喰りながらも、何か原書を繰開(くりひろ)げて眼を通してゐる。
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
永「はい実はな時々養いに喰(や)るじゃ、魚喰うたとて何も咎(とが)めはないが、仏の云うた事じゃアから喰わぬ事に斯う絶って居(お)るが、喰うたからって何も其の道に違(たご)うてえ訳ではないのよ」
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「そうか。そうしてくれればなおいいな。あまり鶏めが慕ってくるから、生(なま)で喰(や)ろうと思っていたんだが」
三国志:02 桃園の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)