トップ
>
休
>
や
ふりがな文庫
“
休
(
や
)” の例文
三四郎の筋向に
坐
(
すは
)
つてゐた色の白い品の
好
(
い
)
い学生が、しばらく
肉刀
(
ナイフ
)
の手を
休
(
や
)
めて、与次郎の連中を眺めてゐたが、やがて笑ひながら
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「ああ——」とお房は返事をしたが、やがて急に力を入れて、幼い
頭脳
(
あたま
)
の
内部
(
なか
)
が破壊し尽されるまでは
休
(
や
)
めないかのように叫び出した。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
そして、その勢では附近の山林を焼き尽さねば
休
(
や
)
まないように思われた山火事は、案外僅かばかりの焼けかたでこともなく消えてしまった。
不動像の行方
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
印判屋の亭主が小さい刀の手を
休
(
や
)
めて顏をあげると、わかい男が尋ねた。「あのこの邊に土屋さんて家がありませうか。」
少年の死
(旧字旧仮名)
/
木下杢太郎
(著)
「我をして、天下の人に
反
(
そむ
)
かしむるとも、天下の人をして、我に反かしむるを
休
(
や
)
めよ——だ。さあ行こう。先へ急ごう!」
三国志:03 群星の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
さりとて
三八
男だつ者もつれざるぞいと
三九
はしたなる
事
(
わざ
)
かなと思ひつつ、すこし身
退
(
しりぞ
)
きて、ここに入らせ給へ。雨もやがてぞ
休
(
や
)
みなんといふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
この言葉のうち、
神楽
(
かぐら
)
の面々、
踊
(
おどり
)
の手を
休
(
や
)
め、従って
囃子
(
はやし
)
静まる。一連皆
素朴
(
そぼく
)
なる
山家人
(
やまがびと
)
、
装束
(
しょうぞく
)
をつけず、
面
(
めん
)
のみなり。
多神教
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
姫は我歌を遮り留めて、止めよ、われは悲傷の詞を聞かんことを願はず、汝が心まことに樂しからずば、
姑
(
しばら
)
く我が爲めに歌ふことを
休
(
や
)
めよと宣給ひぬ。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
ダ風流/
過
(
よ
)
ギル時ハ感ズルヲ
休
(
や
)
メヨ白河ノ暮/到ル日ハ
須
(
すべから
)
ク
観
(
み
)
ルベシ松島ノ秋/語ヲ寄セヨ厳冬大雪多カラン/一領ノ白狐ノ裘無カル可ケンヤ〕となすものを
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
独立
(
どくりつ
)
を
唱
(
とな
)
ふるは
善
(
よ
)
し、
然
(
しか
)
れども
如何
(
いか
)
にして之を
実行
(
じつかう
)
すべき
乎
(
か
)
、言ふを
休
(
や
)
めよ「汝我と共に
独立
(
どくりつ
)
する時は我も
独立
(
どくりつ
)
せん」と 独立とは「独り立つ」といふことなり
時事雑評二三
(新字旧仮名)
/
内村鑑三
(著)
かつ今年の冬のごとき、いまだ関西の卒を
休
(
や
)
めず。県官急に租を
索
(
もと
)
むるも、租税いずれよりか出でん。
信
(
まこと
)
に知る男を生めば悪しきを。かえってこれ女を生むは好し。
将来の日本:04 将来の日本
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
のみならず現にその知識みずからが、まだこの上幾らでも難解の疑問を提出して
休
(
や
)
まない。自己というその内容は何と何とだ。自己の生を追うた行止りはどうなるのだ。
序に代えて人生観上の自然主義を論ず
(新字新仮名)
/
島村抱月
(著)
パタリと話が
休
(
や
)
んだ。雪江さんも黙って了う、松も黙って了う。何処でか遠方で犬の啼声が聞える。
所謂
(
いわゆる
)
天使が通ったのだ。雪江さんは
欠
(
あく
)
びをしながら、
序
(
ついで
)
に
伸
(
のび
)
もして
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
既に
如此
(
かくのごと
)
くなれば、怪は
愈
(
いよい
)
よ怪に、
或
(
あるひ
)
は夢中に見たりし
踪
(
あと
)
の
猶
(
なほ
)
着々
(
ちやくちやく
)
活現し
来
(
きた
)
りて、飽くまで我を
脅
(
おびやか
)
さざれば
休
(
や
)
まざらんと為るにあらずや、と彼は胸安からずも足に
信
(
まか
)
せて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
老僕
(
ろうぼく
)
額
(
ひたい
)
を
蹙
(
しか
)
め、
有
(
あ
)
り有り、
大変
(
たいへん
)
が有りたりという。先生手を
挙
(
あ
)
げて、そは
姑
(
しば
)
らく
説
(
と
)
くを
休
(
や
)
めよ、我まずこれを言わん、
浮浪
(
ふろう
)
の
壮士
(
そうし
)
が
御老中
(
ごろうじゅう
)
にても
暗殺
(
あんさつ
)
せしにはあらざる
歟
(
か
)
と。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
かくのごときは律に罪を問うを
休
(
や
)
めよ、まさにみな笞杖徒流すべし、更に一等を加えて強論せば、殺し来りて我がために下酒とせん〉とは、さすがに詩の本場だけあってよく詠んだ。
十二支考:08 鶏に関する伝説
(新字新仮名)
/
南方熊楠
(著)
昼は
近傍
(
きんりん
)
の
頑童等
(
わらべら
)
こゝに来りて、松下の細流に小魚を
網
(
あみ
)
する事もあれど、夜に入りては蛙のみ雨を誘ひて鳴き騒げども、その濁れる音調を驚ろき
休
(
や
)
ます足音とては、稀に聞くのみなり。
鬼心非鬼心:(実聞)
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
家の人誰も彼も、殆ど残らずと云っても好いほどに秀子を疑って居るのだから何うも陪審員なども秀子を疑うであろう、殊に高輪田長三などは秀子を捕縛せしむるまでは
休
(
や
)
まぬであろう。
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
交通の女王たる鉄道は
何
(
いづ
)
れの津々浦々にも、幾千の旅客を負ふて、
殆
(
ほと
)
んど昼夜を
休
(
や
)
めざる也、日本の文明は真個に世界を驚殺せりと云べし、三十年前、
亜米利加
(
アメリカ
)
のペルリが、数発の砲声を以て
英雄論:明治廿三年十一月十日静岡劇塲若竹座に於て演説草稿
(新字旧仮名)
/
山路愛山
(著)
私は余りに
傍径
(
わきみち
)
をしましたから
最
(
も
)
う
休
(
や
)
めませう。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
終に大詰の大破裂若くは大圓滿に至りて
休
(
や
)
む。
柵草紙の山房論文
(旧字旧仮名)
/
森鴎外
(著)
野老
(
やろう
)
声を
呑
(
の
)
んで
哭
(
こく
)
して
未
(
いま
)
だ
休
(
や
)
まず。
運命
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
ああ
休
(
や
)
んぬかな。歴史の文字は皆
詩
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
降ったり
休
(
や
)
んだりした雪は、やがて
霙
(
みぞれ
)
に変って来た。あの
粛々
(
しとしと
)
降りそそぐ音を聞きながら、私達は飯山行の便船が出るのを待っていた。
千曲川のスケッチ
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
現に真専門の x2+y2=r2氏のごときに至っては、ほとんど文学を
休
(
や
)
めて、理学の方で月給を貰わなければ立行かん姿であります。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふと、武蔵の寝息が
休
(
や
)
むと、人影はぺたっと、布団より薄べたくなり、じっと寝息の深度を測りながら、根気よく大事をとって機を待っている。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
と出血
休
(
や
)
まざる小指の血にて、
我掌
(
わがてのひら
)
の
汚
(
けが
)
れたるにぞ、かっぷと唾を吐き懸けて、下枝の袖にて押拭い、高田と連立ち急がわしく、人形室に赴きぬ。
活人形
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
売る者があっても買うものがなければ事は
休
(
や
)
むわけである。図書出版の
殷盛
(
いんせい
)
は購求者の多きを
證
(
しょう
)
するもの。これ今の世において見る不可思議中の不可思議ではないか。
仮寐の夢
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
余は普通基督教徒が
目
(
もく
)
して論ずるに足らざるものと見做す小教派の中にも
靄然
(
あいぜん
)
たる君子、貞淑の貴婦人を目撃したり、悪魔よ汝の説教を
休
(
や
)
めよ、もし余にして善悪を区別し
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
ここより遠からねば、此の
小休
(
をやみ
)
に出で侍らんといふを、
五六
強
(
あながち
)
に此の
傘
(
かさ
)
もていき給へ。
五七
何
(
いつ
)
の
便
(
たより
)
にも求めなん。雨は
五八
更に
休
(
や
)
みたりともなきを。さて御住ひはいづ
方
(
べ
)
ぞ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
人その擬する所とならざるや、彼は全幅の憤怒を挙て、これに加えずんば
休
(
や
)
まず。試みに彼が当時の文稿を
閲
(
けみ
)
せよ、その交友中、
何人
(
なんぴと
)
か彼の
怒鋒
(
どほう
)
、
罵刃
(
ばじん
)
に触れざるものあるか。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
彼方
(
あなた
)
もその
幺微
(
かすか
)
なる声に語り語りて
休
(
や
)
まざるは、思の
丈
(
たけ
)
の
短夜
(
たんや
)
に余らんとするなるか。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
されど汝が姫に對する情果して戀に非ずば、今より後彼に對して面をあかめ、火の如き
目
(
ま
)
なざしゝて彼に向ふことを
休
(
や
)
めよ。そは彼君のためにあしかりなん。傍より見ん人の心のおもはれて。
即興詩人
(旧字旧仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
手套
(
てぶくろ
)
を
脱
(
ぬ
)
ぐ手ふと
休
(
や
)
む
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
辛苦を辞するを
休
(
や
)
め
愛卿伝
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
たとえば、英国にて凶作打ち続き食物に困り候えば、豊かなる国より商売を
休
(
や
)
めその食物を運びつかわし候ようの風儀に御座候。
夜明け前:03 第二部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
もう
休
(
や
)
めるかと思ったら最後にぽんと
後
(
うし
)
ろへ
放
(
な
)
げてその上へ
堂
(
ど
)
っさりと尻餅を突いた。「君大丈夫かい」と主人さえ
懸念
(
けねん
)
らしい顔をする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
兵糧は戦いの
糧
(
かて
)
。運輸の役も戦いである。だのに、戦いを見て戦いを
休
(
や
)
めるというのは、すでに大なる怠りだ。しかも汝の言い訳は
虚言
(
きょげん
)
に過ぎない。
三国志:11 五丈原の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
綾子は少しく乗出だし、「
他
(
ほか
)
に渡世の道が無いでもあるまい。ちっとじゃが
資本
(
もとで
)
にして、そういう
穢
(
けが
)
らわしい商売は
休
(
や
)
めたが
可
(
よ
)
い。お前はどこの者だえ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
我の社会に負う処、我の他人に負う所、我はこれを返却するの目的一つとしてあるなし、我は死してのみこの借財より脱するを得るにあらずや、言を
休
(
や
)
めよ汝美食美服に飽くものよ
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
此の家
賤
(
あや
)
しけれど、おのれが親の
五〇
目かくる男なり。
五一
心ゆりて雨
休
(
や
)
め給へ。そもいづ
地
(
ち
)
旅の御
宿
(
やど
)
りとはし給ふ。御見送りせんも
却
(
かへ
)
りて
無礼
(
なめげ
)
なれば、此の
傘
(
かさ
)
もて出で給へといふ。
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
親に
仕
(
つか
)
へて、
此上無
(
こよな
)
う優かりしを、
柏井
(
かしわい
)
の
鈴
(
すず
)
とて美き娘をも見立てて、この秋には
妻
(
めあは
)
すべかりしを、又この
歳暮
(
くれ
)
には
援
(
ひ
)
く
方
(
かた
)
有りて、新に興るべき鉄道会社に好地位を得んと頼めしを、事は皆
休
(
や
)
みぬ
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
暫時
(
しばらく
)
準教員も写生の筆を
休
(
や
)
めて眺めた。尋常一年の教師は又、丑松の
背後
(
うしろ
)
へ廻つて、眼を細くして、
密
(
そつ
)
と
臭気
(
にほひ
)
を
嗅
(
か
)
いで見るやうな真似をした。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
いたずらッぽい気長さで我慢づよくて、下から一つや二つ頬を打たれたぐらいでは怒りもしなければ
休
(
や
)
めもしない。
私本太平記:01 あしかが帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「原則通り二割五分増さないでも仕方があるまい。
休
(
や
)
められた人も、元給のままでいる人もたくさんあるんだから」
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
渠
(
かれ
)
は
恐懼
(
おそれ
)
て日光を見ず、もし強いて戸を開きて光明その
膚
(
はだえ
)
に一注せば、渠は
立処
(
たちどころ
)
に絶して万事
休
(
や
)
まむ。
化銀杏
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
蓮太郎の右側に腰掛けて居た、背の高い、すこし顔色の蒼い女は、丁度読みさしの新聞を
休
(
や
)
めて、丑松の方を眺めた。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
武蔵の無口を知りぬいているので、いくら武蔵が黙然と聞いていても、城太郎は独りで勝手にお
饒舌
(
しゃべ
)
りを
休
(
や
)
めない。
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
やがて、紅茶を
呑
(
の
)
んでしまって、
例
(
いつも
)
の通り読書に取りかかった。約二時間ばかりは故障なく進行したが、ある
頁
(
ページ
)
の中頃まで来て急に
休
(
や
)
めて
頬杖
(
ほおづえ
)
を突いた。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
されば
玉
(
たま
)
の
緒
(
を
)
の絶えしにあらねば、
現
(
うつゝ
)
に
号泣
(
がうきふ
)
する糸より細き
婦人
(
をんな
)
の声は、
終日
(
ひねもす
)
休
(
や
)
む
間
(
ひま
)
なかりしとぞ。
妖怪年代記
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
休
常用漢字
小1
部首:⼈
6画
“休”を含む語句
休息
閑話休題
小休
休止
休暇
休日
休憩
休茶屋
一休
利休
万事休矣
休業
休養
御休息
夏休
休戚
御休処
気休
午休
万事休
...