“小休”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
おや23.5%
こやすみ23.5%
をやみ23.5%
こやす17.6%
おやみ5.9%
をや5.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
小豆あずきを板の上に遠くでころがすような雨の音が朝から晩まで聞えて、それが小休おやむと湿気を含んだ風が木でも草でもしぼましそうに寒く吹いた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
西北の強風は三日の間小休こやすみもなく吹き、昼さえ陽の目を見せぬ陰府よみのような陰闇いんあんたる海をただよわしたすえ、四日午後になって、やっとのことで勢をおさめた。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
ここより遠からねば、此の小休をやみに出で侍らんといふを、五六あながちに此のかさもていき給へ。五七いつ便たよりにも求めなん。雨は五八更にみたりともなきを。さて御住ひはいづぞ。
当時幕府に勢力のある彦根ひこねの藩主(井伊いい掃部頭かもんのかみ)も、久しぶりの帰国と見え、須原宿すはらじゅく泊まり、妻籠宿つまごしゅく昼食ちゅうじき、馬籠はお小休こやすみで、木曾路を通った。
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
相手が何とかいうのを振向きもせずに店を出た。雨は小休おやみなく降り続けていた。昼餉ひるげの煙が重く地面の上をっていた。
カインの末裔 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
それは小休をやみなく動く毎に、それだけ少しづつ彼等の本体の方へ近づいて来て、それ等の本体を呑包のみつつんでしまひさうに見える。