“陰闇”の読み方と例文
読み方割合
いんあん100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
寝台のそばにすわり、今は厳格荘厳な表情をしてるメルキオルの最後の眠りを見守りながら、彼は死者の陰闇いんあんな安らかさが心にしみ込むのを感じた。
西北の強風は三日の間小休こやすみもなく吹き、昼さえ陽の目を見せぬ陰府よみのような陰闇いんあんたる海をただよわしたすえ、四日午後になって、やっとのことで勢をおさめた。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それでクリストフは、自分の心を乱すその陰闇いんあんな力には一定の意味があり、しかもその意味は自分の意志と調和してるものだと、確信していた——確信したがっていた。