“いんあん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
陰闇80.0%
陰暗20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
それでクリストフは、自分の心を乱すその陰闇いんあんな力には一定の意味があり、しかもその意味は自分の意志と調和してるものだと、確信していた——確信したがっていた。
夜……ふち……光もなく、本心もなく……ただ「存在」が。「存在」の陰闇いんあん貪欲どんよくな力。無上に力強い喜悦。張り裂けるばかりの喜悦。空虚が石を吸い込むように、全身を吸い込む喜悦。
雲の多い午後が、陰暗いんあんな夕空明りへかたむいてゆく。階段の窓を叩く雨の音が、まだ聽え、邸の背後うしろ灌木林くわんぼくりんに風が騷いでゐる。私のからだは、だん/\に石のやうにつめたくなつて來た。