小休こやすみ)” の例文
西北の強風は三日の間小休こやすみもなく吹き、昼さえ陽の目を見せぬ陰府よみのような陰闇いんあんたる海をただよわしたすえ、四日午後になって、やっとのことで勢をおさめた。
藤九郎の島 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
全く厳子陵げんしりようの図なり。庭上に碑あり。碑表は石牀先生之墓と題す。三村三益、字季崐あざなはきこんといふ木曾人の碑なり。熊耳余承裕ゆうじよしようゆう撰するところなり。小野滝看をのたきみの茶屋に小休こやすみして三里九丁須原の駅。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
小休こやすみあひだ毎日まいにちづつ、見舞みまひかへるのがれいであつた。
三尺角 (旧字旧仮名) / 泉鏡花(著)
文化丙寅五月十九日、長崎撫院ぶゐん和泉守曲淵公に従て東都を発す。巳時板橋に到て公小休こやすみす。家大人かたいじんここに来て謁見せり。余小茶店せうちやてんにあり。頼子善らいしぜん送て此に到る。午後駅を出て小豆沢あづさは村にいたる。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
小休こやすみの間に毎日一度ずつ、見舞に帰るのが例であった。
三尺角 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)