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焼
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や
ふりがな文庫
“
焼
(
や
)” の例文
旧字:
燒
「お
母
(
かあ
)
さん、
月
(
つき
)
は、
去年
(
きょねん
)
の
春
(
はる
)
とちがって、あたりがあんな
焼
(
や
)
け
跡
(
あと
)
になったので、びっくりしたでしょうね。」と、
少年
(
しょうねん
)
がいいました。
夢のような昼と晩
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれども、グレーテルはどんどんかけていきました。こうして、ばちあたりの
魔法使
(
まほうつか
)
いは、むごたらしく
焼
(
や
)
け
死
(
し
)
んでしまったのです。
ヘンゼルとグレーテル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
原口さんは無論ゐる。一番
先
(
さき
)
へ
来
(
き
)
て、世話を
焼
(
や
)
いたり、愛嬌を振り
蒔
(
ま
)
いたり、仏蘭西式の
髯
(
ひげ
)
を
撮
(
つま
)
んで見たり、万事
忙
(
いそ
)
がしさうである。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
とうとうお
釜
(
かま
)
が上まで
真
(
ま
)
っ
赤
(
か
)
に
焼
(
や
)
けました。その
時分
(
じぶん
)
には、
山姥
(
やまうば
)
もとうにからだ
中
(
じゅう
)
火
(
ひ
)
になって、やがて
骨
(
ほね
)
ばかりになってしまいました。
山姥の話
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
忍剣
(
にんけん
)
が気のついたクロとは、そもなにものかわからないが、かれのすがたは、まもなく、変りはてた
恵林寺
(
えりんじ
)
の
焼
(
や
)
け
跡
(
あと
)
へあらわれた。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
「ねぎが四、五本にバターが少しあれば、けっこうなスープができるだろう。どら
焼
(
や
)
きなぞは下ろして、ねぎをなべでいためろ」
家なき子:01 (上)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
いま
窓
(
まど
)
の右手にえぞ
富士
(
ふじ
)
が見える。火山だ。頭が
平
(
ひら
)
たい。
焼
(
や
)
いた
枕木
(
まくらぎ
)
でこさえた小さな家がある。
熊笹
(
くまざさ
)
が
茂
(
しげ
)
っている。
植民地
(
しょくみんち
)
だ。
或る農学生の日誌
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
お
天守
(
てんしゆ
)
の
下
(
した
)
へも
穴
(
あな
)
が
徹
(
とほ
)
つて、お
城
(
しろ
)
の
抜道
(
ぬけみち
)
ぢや
言
(
い
)
ふ
不思議
(
ふしぎ
)
な
沼
(
ぬま
)
での、……
私
(
わし
)
が
祖父殿
(
おんぢいどん
)
が
手細工
(
てざいく
)
の
船
(
ふね
)
で、
殿様
(
とのさま
)
の
妾
(
めかけ
)
を
焼
(
や
)
いたと
言
(
い
)
つけ。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
また
初
(
はじめ
)
に「
藻汐
(
もしお
)
焼
(
や
)
く」と置きしゆえ後に煙とも言いかねて「あまのしわざ」と主観的に置きたるところいよいよ俗に
堕
(
お
)
ち申候。
歌よみに与ふる書
(新字新仮名)
/
正岡子規
(著)
「あの連中だって、つけ
焼
(
や
)
き
刃
(
ば
)
の理屈をならべるよりか、りんごを食ったり、歌をうたったりするほうが実はおもしろいんだよ。ふふふ。」
次郎物語:05 第五部
(新字新仮名)
/
下村湖人
(著)
『
不束
(
ふつつか
)
な
娘
(
むすめ
)
でございますが、
何
(
ど
)
うぞ
今後
(
こんご
)
とも
宜
(
よろ
)
しうお
導
(
みちび
)
きくださいますよう……。さぞ
何
(
なに
)
かとお
世話
(
せわ
)
が
焼
(
や
)
けることでございましょう……。』
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
坂上大嬢
(
さかのうえのおおいらつめ
)
に贈ったのに、「夜のほどろ出でつつ来らく
遍多数
(
たびまね
)
くなれば吾が胸
截
(
た
)
ち
焼
(
や
)
く如し」(巻四・七五五)というがあり
万葉秀歌
(新字新仮名)
/
斎藤茂吉
(著)
水のかれた川は、細いながらも、
焼
(
や
)
き
太刀
(
だち
)
のように、日を反射して、絶えてはつづく
葉柳
(
はやなぎ
)
と家々との間に、かすかなせせらぎの音を立てている。
偸盗
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
この
家
(
うち
)
には、おばあさんがいましたが、あんまり年をとっているので、パン
焼
(
や
)
きの手つだいをすることができません。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
「なるほど、
鬼
(
おに
)
どもは
生
(
い
)
け
捕
(
ど
)
って来たえものをこの
囲炉裏
(
いろり
)
で
焼
(
や
)
いて食うのだな。それじゃ一つ、この
炉
(
ろ
)
の上の
天井
(
てんじょう
)
に
隠
(
かく
)
れて今夜の様子を見てやろう。」
鬼退治
(新字新仮名)
/
下村千秋
(著)
ヘヽー
何
(
ど
)
うでげせう、三
朱
(
しゆ
)
位
(
ぐらゐ
)
には
負
(
まか
)
りますまいか。坊「
焼場
(
やきば
)
へ
来
(
き
)
て
値切
(
ねぎ
)
るものもないもんだ、
極
(
きま
)
つて
居
(
ゐ
)
るよ。金「ナニ
本当
(
ほんたう
)
に
焼
(
や
)
けないでも
宜
(
よろ
)
しいんで。 ...
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
しかしそいつが大違いで、腹からなり切れちまえばいいんだが、
附
(
つ
)
け
焼
(
や
)
き
刃
(
ば
)
だから肝心な時に母婦の
地金
(
じがね
)
が出て来るんで、なお不自然な
厭
(
いや
)
な気がするんだ
蓼喰う虫
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
菊枝は、
廐
(
うまや
)
に投げ込む雑草を、いつもの倍も背負って帰って来た。重かった。
荷縄
(
になわ
)
は、肩に
焼
(
や
)
け
爛
(
ただ
)
れるような痛さで喰い込んだ。腰はひりひりと痛かった。
駈落
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
そして、磁力砲をうったこっちが、あべこべに真赤な
焼
(
や
)
け
鉄
(
がね
)
をおしつけられたように、急に機体が熱くなって、ぶすぶすと燃えだすさわぎです。どうも変です
怪塔王
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
田や畑の
其処
(
そこ
)
此処
(
ここ
)
に
焼
(
や
)
け残りの黒い木の
株
(
かぶ
)
が立って居るのを見ると、
開
(
ひら
)
け行く北海道にまだ死に切れぬアイヌの
悲哀
(
かなしみ
)
が身にしみる様だ。
下富良野
(
しもふらの
)
で青い
十勝岳
(
とかちだけ
)
を仰ぐ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
身
(
み
)
に
降
(
ふ
)
りかかる
話
(
はなし
)
じゃねえ。どうせ
人様
(
ひとさま
)
のことだと
思
(
おも
)
って、
黙
(
だま
)
って
聴
(
き
)
いて
居
(
お
)
りやしたが。——もし
堺屋
(
さかいや
)
さんのお
上
(
かみ
)
さん、つまらねえ
焼
(
や
)
きもちは、
焼
(
や
)
かねえ
方
(
ほう
)
がようがすぜ
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
そもそも幕末の時に当りて
上方
(
かみがた
)
の辺に
出没
(
しゅつぼつ
)
したるいわゆる
勤王有志家
(
きんのうゆうしか
)
の挙動を見れば、家を
焼
(
や
)
くものあり人を
殺
(
ころ
)
すものあり、或は
足利
(
あしかが
)
三代の
木像
(
もくぞう
)
の首を
斬
(
き
)
りこれを
梟
(
きょう
)
するなど
瘠我慢の説:04 瘠我慢の説に対する評論について
(新字新仮名)
/
石河幹明
(著)
崖
(
がけ
)
を下りて渓川の流に近づかんとしたれど、路あまりに
嶮
(
けわ
)
しければ止みぬ。渓川の向いは
炭
(
すみ
)
焼
(
や
)
く人の往来する山なりという。いま流を渡りて来たる人に問うに、水浅しといえり。
みちの記
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
そこに
方丈
(
ほうじょう
)
の壇をむすび、何かの符を書いてそれを
焼
(
や
)
くと、たちまちに符の使い五、六人、いずれも身の
丈
(
た
)
け一丈余にして、
黄巾
(
こうきん
)
をいただき、
金甲
(
きんこう
)
を着け、
彫
(
ほり
)
のある
戈
(
ほこ
)
をたずさえ
世界怪談名作集:18 牡丹灯記
(新字新仮名)
/
瞿佑
(著)
それは何も
一向
(
いっこう
)
いいことではない
筈
(
はず
)
なのだけれど、いうことを聞かぬいたずら
者
(
もの
)
の
腕白
(
わんぱく
)
どもに、
老教師
(
ろうきょうし
)
はもうほとほと手を
焼
(
や
)
いているので、まるで
探偵
(
たんてい
)
みたいな
顔
(
かお
)
つきをしながら
身体検査
(新字新仮名)
/
フョードル・ソログープ
(著)
ワーフルという
菓子
(
かし
)
を
焼
(
や
)
き居たりしを先生見て、これは
至極
(
しごく
)
面白
(
おもしろ
)
し、予もこの
器械
(
きかい
)
を
借用
(
しゃくよう
)
して一ツやって
見
(
み
)
たしとのことにつき、翌日これを
老僕
(
ろうぼく
)
に
持
(
も
)
たせ
遣
(
つかわ
)
しければ、先生
大
(
おおい
)
に喜び
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
鄙劣
(
ひれつ
)
千万な、計略を
運
(
めぐ
)
らして母の病気とまで
偽
(
うそ
)
を
云
(
い
)
わせる、ソンナ奴があるものか、モウ
焼
(
や
)
けだ、大議論をして
遣
(
や
)
ろうかと
思
(
おもっ
)
たが、イヤ/\
左様
(
そう
)
でない、今アノ家老と喧嘩をした所が
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
せっかく島根に漂い着いたが、おそろしげな
焼
(
や
)
け
島
(
じま
)
で、草木のアヤもみえない。
藤九郎の島
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
みんな
女偊
(
じょう
)
氏の弟子での、ものの形を超えて
不生不死
(
ふしょうふし
)
の
境
(
きょう
)
に入ったれば、水にも
濡
(
ぬ
)
れず火にも
焼
(
や
)
けず、寝て夢見ず、覚めて
憂
(
うれ
)
いなきものじゃ。この間も、四人で笑うて話したことがある。
悟浄出世
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
四四
ふところの
璧
(
たま
)
をうばはれ、
挿頭
(
かざし
)
の花を
四五
嵐にさそはれしおもひ、泣くに涙なく、叫ぶに声なく、あまりに嘆かせたまふままに、火に
焼
(
や
)
き、土に
葬
(
はうむ
)
る事をもせで、
四六
臉
(
かほ
)
に臉をもたせ
雨月物語:02 現代語訳 雨月物語
(新字新仮名)
/
上田秋成
(著)
拳
(
こぶし
)
で
胸
(
むね
)
を
打
(
う
)
って
祈
(
いの
)
るかと
思
(
おも
)
えば、
直
(
すぐ
)
に
指
(
ゆび
)
で
戸
(
と
)
の
穴
(
あな
)
を
穿
(
ほ
)
ったりしている。これは
猶太人
(
ジウ
)
のモイセイカと
云
(
い
)
う
者
(
もの
)
で、二十
年
(
ねん
)
ばかり
前
(
まえ
)
、
自分
(
じぶん
)
が
所有
(
しょゆう
)
の
帽子製造場
(
ぼうしせいぞうば
)
が
焼
(
や
)
けた
時
(
とき
)
に、
発狂
(
はっきょう
)
したのであった。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
夫
(
それ
)
から
下
(
した
)
の
方
(
はう
)
へかけて、カリフォルニヤ
街
(
がい
)
の
坂道
(
さかみち
)
を、
断間
(
たえま
)
なく
鋼索鉄道
(
ケーブルカー
)
の
往来
(
わうらい
)
するのが
見
(
み
)
える。
地震
(
ぢしん
)
の
時
(
とき
)
に
焼
(
や
)
けたのが
彼処
(
あすこ
)
、
近頃
(
ちかごろ
)
建
(
た
)
てかけた
市庁
(
しちやう
)
は
彼
(
あれ
)
と、
甲板
(
かんぱん
)
の
上
(
うへ
)
の
評定
(
ひやうぢやう
)
とり/″\
頗
(
すこぶ
)
る
喧
(
やかま
)
しい。
検疫と荷物検査
(新字旧仮名)
/
杉村楚人冠
(著)
はじめ、足をかけた
焼
(
や
)
け
板
(
いた
)
が下へしのったとき、左膳はギョッとしたのだったが、もうおそかった。板が割れると同時に、左膳のからだは直立の姿勢のまま、一直線に地の底へ落ちたのである。
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
焼
(
や
)
き
鏝
(
ごて
)
を当てて上へ黒い
焦
(
こ
)
がした模様を附けてお客の前へ出します。
食道楽:秋の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
焼
(
や
)
けどにしては、
治癒
(
ちゆ
)
のあとが違うし、生れつきのあざでもない。
孤島の鬼
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
さらに気をまわせば、吉弥は僕のことについていい加減のうそを並べ、うすのろだとか二本棒だとか、
焼
(
や
)
き
餅
(
もち
)
やきだとかいう嬉しがらせを言って、青木の機嫌を取っているのではないかとも思われた。
耽溺
(新字新仮名)
/
岩野泡鳴
(著)
はやく、お
客
(
きゃく
)
がくればいいのになあ、と
海蔵
(
かいぞう
)
さんは
眼
(
め
)
をほそめて
明
(
あか
)
るい
道
(
みち
)
の
方
(
ほう
)
を
見
(
み
)
ていました。しかしお
客
(
きゃく
)
よりさきに、
茶店
(
ちゃみせ
)
のおかみさんが、
焼
(
や
)
きたてのほかほかの
大餡巻
(
おおあんまき
)
をつくってあらわれました。
牛をつないだ椿の木
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
一つのお皿には刺身、一つのお皿には
焼
(
や
)
き
肴
(
ざかな
)
。
春の枯葉
(新字新仮名)
/
太宰治
(著)
僕
(
ぼく
)
が 君のリボン
焼
(
や
)
いたからもらつたんだよ
小熊秀雄全集-22:火星探険―漫画台本
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
ふるさとの
胡桃
(
くるみ
)
焼
(
や
)
くるにほひす
一握の砂
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
火
(
ひ
)
と
燃
(
も
)
えて
身
(
み
)
を
焼
(
や
)
く
夜
(
よ
)
にも
第二邪宗門
(新字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
「ただいま。
叔母
(
おば
)
さんの
家
(
いえ
)
からだいぶ
離
(
はな
)
れていましたから、いきませんでした。三
軒
(
けん
)
ばかり
焼
(
や
)
けて、やっといましがた
消
(
き
)
えました。」
火事
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
そうすれば、グレーテルはなかで
焼
(
や
)
き
殺
(
ころ
)
されてしまいます。そこで、ばあさんはグレーテルをも、ぺろりと食べてしまう
腹
(
はら
)
だったのです。
ヘンゼルとグレーテル
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
そうすると、火に
追
(
お
)
われて
逃
(
に
)
げてくるものは
矢
(
や
)
で
射
(
い
)
とります。
矢
(
や
)
をおそれて
逃
(
に
)
げて
行
(
い
)
くものは火に
焼
(
や
)
き
立
(
た
)
てられて
命
(
いのち
)
を
失
(
うしな
)
います。
鎮西八郎
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
段々
(
だん/\
)
村
(
むら
)
が
遠退
(
とほの
)
いて、お
天守
(
てんしゆ
)
が
寂
(
さび
)
しく
成
(
な
)
ると、
可怪
(
あやし
)
可恐
(
おそろし
)
い
事
(
こと
)
が
間々
(
まゝ
)
有
(
あ
)
るで、あの
船
(
ふね
)
も
魔
(
ま
)
ものが
漕
(
こ
)
いで
焼
(
や
)
くと、
今
(
いま
)
お
前様
(
めえさま
)
が
疑
(
うたが
)
はつせえた
通
(
とほ
)
り……
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
大坂
(
おおさか
)
はまだ三
郷
(
ごう
)
とも、
城下
(
じょうか
)
というほどな町を
形成
(
けいせい
)
していないが、急ごしらえの
仮小屋
(
かりごや
)
が、まるで
焼
(
や
)
けあとのようにできている。
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
宿題
(
しゅくだい
)
もみんな
済
(
す
)
ましたし、
蟹
(
かに
)
を
捕
(
と
)
ることも
木炭
(
すみ
)
を
焼
(
や
)
く
遊
(
あそ
)
びも、もうみんな
厭
(
あ
)
きていました。達二は、家の前の
檜
(
ひのき
)
によりかかって、考えました。
種山ヶ原
(新字新仮名)
/
宮沢賢治
(著)
かの女は
絶望
(
ぜつぼう
)
の
表情
(
ひょうじょう
)
で、自分のうちの
焼
(
や
)
け落ちるのを目の前に見ている人のように、ひょうの
降
(
ふ
)
るのをながめていた。
家なき子:02 (下)
(新字新仮名)
/
エクトール・アンリ・マロ
(著)
ところで、
農家
(
のうか
)
の女たちは、お
祭
(
まつ
)
りのしたくで、てんてこまいをしていました。ちょうどリスが
捕
(
つかま
)
えられた日は、パンを
焼
(
や
)
くことになっていたのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
三千代は手拭を
姉
(
ねえ
)
さん
被
(
かぶ
)
りにして、友禅の長繻絆をさらりと出して、
襷
(
たすき
)
がけで荷物の世話を
焼
(
や
)
いてゐた。旅宿で世話をして呉れたと云ふ下女も
来
(
き
)
てゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
焼
常用漢字
小4
部首:⽕
12画
“焼”を含む語句
火焼
焼麺麭
焼酎
焼火
生焼
焼畑
夕焼
蒲焼
素焼
焼餅
焼刃
岡焼
高麗焼
焼死
焼棄
焼焦
焼痕
焼捨
類焼
鯛焼
...